食堂城内、ロバのパン、わらび餅…

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 先日書いた「動き出した潮見櫓復元」に、「保険局が懐かしい」とコメントをいただいた。私もこの記事の写真撮影で城内住宅一帯を歩いた際、「食堂城内」を見掛け、懐かしい気分になった。高校生時代、時折利用していた食堂で、すでに移転、または閉店したのか営業はしていない様子だったが、外観は昔のままだった。

 自宅も高校もこの近くにあったわけではないが、食堂近くの平和台陸上競技場に大会や練習でよく行っており、弁当を持参していない時はここで昼食を取っていた。インターネット上にある情報によると、ケースの中から好きな惣菜を選んだうえで、白ごはんと味噌汁を注文するシステムだったようだが、私の高校時代はラーメンなどのメニューもあった記憶がある。ラーメンはさっぱり味で、福岡では珍しく海苔が上にのっていたので妙に印象に残っている。

 関係ないが、私の夏は平和台で行われる中部支部予選で終わり、インターハイなど夢のまた夢。同じような境遇だった他校の3年生と一緒に食堂城内で昼食を食べた際、彼が口にした「オレのインタイ(引退)ハイが終わった」という面白くもない冗談がこれまた妙に耳に残っている。

 食べ物絡みで最近、もう一つ懐かしい体験をした。先日、福岡市中央区大手門付近の路地を歩いていた時、ロバのパンの歌が聞こえてきたのだ。「ロバのおじさん チンカラリン チンカラリンロン やってくる」というアレだ。「まさか、まだあるとは!」と驚き、慌てて音楽が流れてくる方に向かったのだが、残念ながら間に合わず、正体を確かめることはできなかった。インターネットで調べたところ、北九州市八幡西区に「ロバのパン」という有限会社があり、ここが福岡市でも移動販売を行っているとの情報があった。私が耳にした歌は、この会社の販売車が流していたのだろうか。

 ロバのパンの販売車をよく見かけたのは昭和40年代、小学校3、4年生頃だった。毎週日曜日の朝、住んでいた集合住宅に販売車がやって来ては例の歌を大音量で流していた。滅多にないことだったが、ロバのパンを買って朝ごはんにすることがあり、これが楽しみだった。単なる蒸しパンなのだが、初めて食べた時は「こんなうまいものがこの世に!」と驚いたぐらいだ。

 ほかによく現れたのはわらび餅の販売車で、モナカの皮で出来た皿に盛って売っていた。確か値段は10円からで、値段が上がる程皿が大きくなった。当時、冷たいわらび餅が大好物で、これも初めて食べた時は「こんなうまいものがこの世に!」と感動し、山ほど買って食べるのが叶わぬ夢だった。現在ではスーパーでパック売りされており、1、2度買って食べたことがあるが、さほど美味しいとは感じなかった。昔のわらび餅の方が美味しかったと感じるのは、ノスタルジーだけではないように思う。

 食べ物の話から外れるが、移動販売にまつわる思い出と言えば、この頃はインチキ手品用品を小学生に売りつけようとする胡散くさいオジサンが1年に1、2度の頻度で通学路に現れ、小学生の心をざわつかせていた。彼らが売っていたのはブリキ製の四角い小さな笛みたいなものや、舌に刺さったように見える鉛筆、指でこすると煙が出る粘土状のもの等々。メインの商品が笛で、これを吹きながら話せば、面白い声が出せるという代物だった。ただし、うまくいった試しはなく、すぐに壊れた。

 実演交じりのオジサンの売り口上を聞いている時はものすごく魅力的に思えるのだが、間違って買ってしまうと、「つまらないものを買ってしまった」と後悔し、なおかつ友人たちにはバカにされることとなった。静岡を舞台にしたマンガ『ちびまる子ちゃん』の第1話にも同じような人物が登場するので、全国あちこちで似たような商売があったのだろう。それとも元締めみたいなものが存在したのだろうか。
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コメント

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いつも拝読しています。
私は平成生まれですが、私の通っていた小学校にもインチキおじさん(?)が出没していましたよ。もっとも、商品は「遊戯王」というカードゲームのレアカードで、本物をコピーしただけの偽物と噂されていたので買う人はいませんでした。
たまたま私の地元(市内のベッドタウン)にそういう人たちがいたのだと思っていましたが、似たような話は昔からあるのですね。ひょっとしたら今もどこかで「妖怪ウォッチ」あたりを売りつけているのかもしれません。

Re: タイトルなし

コメントありがとうございました。
胡散くさいオジサンたちはまだいるんですね。平成の時代となり、てっきり絶滅したと思っていました。
そして、売っているのが遊戯王カードの偽物とは。おっしゃるように今の子供たちはだまされないでしょう。
妙なものであっても、一応は珍しい品物を売っていた昭和時代のオジサンたちの方がまだ、良心的に思えてきました。