時代遅れの知識

IMG_3818.jpg

 先日、別府で一風呂浴びた帰りに阿蘇に立ち寄ってきた。中岳が昨年11月に噴火し、しばらくは騒ぎになっていたが、最近は全く報道がないので、すでに活動は終息したのだろうと思っていた。しかし、依然として噴火警戒レベル2の警報が発令中で、火口から半径1㌔以内は立ち入り禁止。ロープウェイも運休中だった。別に火口に行きたかったわけでもないので、草千里でしばらく休憩してきたが、なるほど中岳火口からはもうもうと噴煙が上がっていた。

 九州にある火山はここ最近、活動が活発化している。今年5月、鹿児島県・口永良部島の新岳が噴火し、全島民が今も避難生活を送っているほか、つい先頃には桜島が大規模噴火する恐れがあるとして近隣住民に一時、避難勧告が出された。また、阿蘇・中岳のほか、霧島・新燃岳、南西諸島の諏訪之瀬島も噴火警戒レベル2の状態で、火口周辺への立ち入りが規制されている。阿蘇から南にある主だった火山はほとんどが要注意状態ということになる。

 中高校生の時代、阿蘇から南西諸島に至る火山群を「霧島火山帯」として習った。中国地方からくじゅう連山や雲仙に至るのが「白山火山帯」。現在、噴火警報が発令されている九州の火山は全てが霧島火山帯に属しているわけで、何か共通の原因があるのだろうと疑ったが、Wikipediaによると、火山帯という用語は火山学的に意味をなさないとして現在では使われていないらしい。無意味な疑問だった。

 火山帯以外でも、古い学説や知見が否定され、自分の知識や常識がとんでもなく時代遅れになっていることに気付くことがある。歴史の教科書の見直しは度々報道されているので、鎌倉幕府の成立1192年説に疑義が出ていることは知っていたが、我々が源頼朝や足利尊氏と習ってきた肖像画に、別人説が出されていることはかなり衝撃的だった。頼朝像に関してはまだ論争が続いているようだが、尊氏像はもはや単なる騎馬武者扱いだ。ちなみに「伝」頼朝像は国宝(京都・神護寺蔵)、「伝」尊氏像は重文(京都国立博物館蔵)。

 福岡市博多区の聖福寺には「伝」頼朝像を模写した絵画が伝わっている。模写といってもパチモノの類いではない。聖福寺が元禄11年(1698年)、頼朝の五百年遠忌法要を行った際、福岡藩の御用絵師で狩野派の重鎮でもあった狩野昌運によって描き写されたというから結構由緒正しいものだ。昨年、市の文化財に指定され、その際にこの絵の存在を知った。

 文化財指定の際の市発表資料によると、神護寺所蔵の肖像画が、少なくとも元禄時代には頼朝像と認識されていたことを証明するものでもあり、その点でも貴重だという。模写とはいえ、狩野派の実力者が描いたのだから、絵としても優品だといい、そんな貴重なものがなぜ、昨年まで文化財指定されていなかったのかと思う。展示会などに貸し出されることもあるから、別に門外不出ということでもないようだ。


関連記事
スポンサーサイト
[Edit]

コメント

非公開コメント