男子校は希少種

DSCF0499.jpg

 今年の夏、家族の母校の野球部が県大会決勝まで進み、あと一歩で甲子園初出場というところまで迫った。普通だったら大騒ぎするところだが、肝心の家族は非常に冷めた様子だった。高校野球に関心がないわけではない。彼女の在学中は女子校だったのに、近年になって男女共学となり、校名さえも変わった。そして専用グラウンドを造るなどして野球部強化に乗り出した。もはや母校という印象はないというのだ。

 家族の母校と同様、元女子校で高校野球に力を入れている私立高校は最近少なくない。今夏も甲子園出場を果たした群馬の健大高崎がその例だが、そのほかにも愛媛の済美、鹿児島の神村学園、宮崎の聖心ウルスラ等々が思い浮かぶ。女子校のイメージを払拭するためには、野球などのスポーツで名を売るのが近道だったのだろう。年配世代の中には「○○女子が甲子園に出場するなんてね~」と今なお違和感を覚えている人は少なくないと聞いたが、済美は2004年に春の甲子園を制し、同年夏と2013年春は準優勝、神村学園も2005年春準優勝。健大高崎を含め、今や完全に甲子園常連校だ。

 福岡市には現在、22の私立高校(下表)があるが、女子校から共学へと転換した例は、少なくとも平成に入って以降はない。水面下では動きがあるのかもしれないが、福岡市ではまだ、女子校に対するニーズが高いのだろうか。一方、平成以降に共学化した男子校は西南学院、福大大濠、上智福岡と3校あり、残る男子校は中村三陽、東福岡(写真)だけになった。対象を福岡県の高校全体(公私立で計161校)に広げても、この2校以外に男子校はなく、これには少し驚いた。

 共学化した男子校のうち、西南学院は、系列の西南学院大がもともと女子の人気が高い。だから、中学・高校が女子を受け入れると聞いてもさほど違和感はなかったが、福大大濠の方は我々中高年世代にとってはバンカラ、体育会系のイメージが強い。「あの大濠に女子がね~」と隔世の感がある。

 もっとも、福大大濠以上にバンカラ、体育会系のイメージが強いのは、今ではラグビー、サッカー、バレーなどで高校スポーツ界を席巻している東福岡だろう。同校のHPによると、現在の生徒数はなんと2,586人で、県内最多だという。数年前に大規模な校舎建て替えを行った際、「共学化への布石では」という臆測も流れたが、まったくの見当違いだったようで、少子化の時代に“マンモス男子校”という希有な存在であり続けている。

【共学】沖学園、九産大九州、純真、上智福岡(旧・泰星)、西南学院、第一薬科大付属、立花、博多、福岡第一、福岡舞鶴、福工大城東、福大大濠

【女子】精華女子、筑紫女学園、中村学園女子、博多女子、福岡海星女学院、福岡女学院、福岡雙葉、福大若葉(旧・九州女子)

【男子】中村三陽、東福岡
関連記事
スポンサーサイト
[Edit]

コメント

非公開コメント