油山のキンモクセイ

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 福岡市の油山市民の森でキンモクセイが金色の花を咲かせ、辺り一面に甘い香りを漂わせている。管理事務所に尋ねたところ、森に植えられているキンモクセイは約400本。吊り橋から中央展望台に至る散策路はまるでキンモクセイ並木のような状態で、中にはビックリするような大きな木もあった。山頂からの帰路にこの道をたどったが、懐かしい香りに疲れが癒やされる気分だった。

 以前は秋になると、あちこちの民家の庭からキンモクセイの香りがしていたものだが、最近はそんな機会が減った。香りがトイレの芳香剤を連想させるため、庭木としては敬遠されるようになったと聞く。もっとも、キンモクセイの香りの芳香剤自体、現在ではほとんど売られていないらしい。水洗トイレの普及以降、消臭のための強い香りは「頭が痛くなる」などと嫌われるようになり、最近では柑橘系やハーブ系などのほのかな香りが主流なのだという。

 そう言えば、我が家で購入する芳香剤も「フローラル」などというよくわからない代物が多くなり、以前には「ガリガリ君ソーダの香り」なるヘンテコリンなものを買ったこともある。庭木はおろか、芳香剤でもキンモクセイの香りに出会わなくなったのだから、懐かしいはずだ。

 市民の森管理事務所によると、キンモクセイの花は23日の雨でだいぶ落ちたらしい。香りを楽しむのは27日の日曜日ぐらいが最後になりそうだと教えていただいた。福岡市ではこのほか、キンモクセイとしては樹齢300年と言われる城南区友泉亭公園の古木が有名だ。友泉亭公園とは福岡藩主の別邸跡だが、昭和初期、貝島炭砿の経営で財をなした貝島家が買い取って整備した歴史があり、現在残る建物や庭園はこの時期のものらしい。この公園もずいぶんご無沙汰なので、近いうちに行ってみようと思う。
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