母校の裏山

旧聞に属する話2010-裏山2

 ちょっとした用事があって母校の高校に行った。卒業から数十年。校舎は建て替わっているうえ、配置も変わり、昔の面影はまったく残っていないのだが、竹が生い茂った裏山だけは以前の雰囲気を残している。「裏山があるなど、どんな田舎の学校だ!」と言われそうだが、この裏山の広さは猫の額ほどで、この周囲には今も昔も住宅街が広がっている。なぜ、この裏山だけがポツンと取り残されているのか、結構不思議な存在なのだ。

 今は学校の敷地とはブロック塀で隔てられているが、昔は何もなく、放課後などは山岳部の連中が勝手に入り込み、わざわざロープを使って木に登っていた。ロッククライミングの練習を気取っていたらしいが、ほとんど小学生のターザンごっこで、あまり見た目は良くなかった。

 春になるとタケノコが取れた。貧しい暮らしをしていたので、一度ごっそり持って帰ったところ、その日の夕飯で煮付けになって出てきたことがある。家族にはえらく喜ばれ、私もうれしかったのだが、その後、恐ろしい話を聞いた。当時は裏山のすぐ近くに1組の教室があったのだが、このクラスのX君が「トイレが遠くて面倒くさい」と良く裏山に行っていたらしいのだ。その話を聞いて以来、二度と裏山に入ることはなかった。

 裏山をトイレ代わりにしていた、とんでもないX君は現在は牧師をしているらしい。彼が神の教えを説いているなど到底信じられないことだ。
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