城下町杵築の坂道

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 大分県杵築市の町を初めて散策して来た。能見松平藩3万2,000石の城下町だった小都市。八坂川の河口に面した台地上には杵築城天守がそびえ、西側には落ち着いた町並みが広がる。3層の天守は、例によって城ブームの時代の1970年に造られた鉄筋コンクリート製の模擬天守だが、城下町は本物だ。しかも、谷間の通り沿いに位置する商人の町をはさみ、南北の高台に武家屋敷街が広がるという特殊な構造で、商人の町から高台へは「酢屋の坂」「志保屋の坂」などの数々の美しい坂道が通じている(写真は志保屋の坂から見た酢屋の坂)。

 今年8月に別府に泊まった際、宿に杵築の町並みを紹介するパンフレットが置かれていた。写真で見る城下町の坂道は非常に魅力的で、興味を覚えたが、予定が決まっていたこともあって翌日は阿蘇方面に向かった。それに「パンフレットの写真は出来過ぎで、実物はたいしたことないのだろう」という懐疑的な気持ちも少しあった。

 しかし、実物の杵築はパンフレット通りの魅力的な町で、なおかつ観光客に対するもてなしの心を感じたのは、町の各所に無料駐車場があり、そこには清掃の行き届いたトイレがあることだった。その割には土産物屋や食事処などは少なく、良い意味で商売っ気は感じられなかった。昔ながらの生活の場がそのまま観光地となったようなサラッとした雰囲気の町だった。例によって、ここにも中国人らしき観光客の一群が押し寄せていたが、彼らに杵築はどう映ったのだろうか。




 南と北の武家屋敷街(南台、北台)。杵築も全国に数々ある小京都の一つ。ミニ東京と呼ばれて喜ぶ人はいないのに、小京都はなぜか誉め言葉になる。小京都と一括りにすると、かえって町の個性が見えなくなる気がするが。

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 北台から杵築城方面に通じる「勘定場の坂」。杵築は2009年、京都のNPO法人が認定する“きものが似合う歴史的町並み”の第1号に選ばれた。着物レンタルの店もあり、和服姿で城下町を散策している女性が少なくない。

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 杵築城の模擬天守。各地の復元天守、模擬天守と同じく、郷土資料館兼展望台となっている。

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 模擬天守から見た城下町。垂直の崖の上にあるのが南台。特殊な地形の町であることが良くわかる。


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