福岡市の民泊試行

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 高島・福岡市長が8日の記者会見で、今月開かれる嵐、EXILEのコンサート期間中に限り、有償民泊を認めることを唐突に発表した(写真は会見する市長。公式Youtubeから)。これに応じて市の公式サイトでは10日から、民泊に協力する市民を募っている。

 両コンサートとも会場はヤフオクドームで、1日当たり数万人(4万5,000人?)の動員が見込まれるが、福岡市内のホテル・旅館の定員は3万7,000人弱(2013年福岡市観光統計)に過ぎず、以前から収容能力の不足が指摘されている。コンサート来場者の全員が宿泊するわけではないだろうが、他の出張客、観光客を合わせれば、今回も宿泊施設が足りないのは確実。そこで民泊活用を思い立ったらしい。しかし、嵐のコンサート開催が17~19日、EXILEが26、27日。今頃からホストを募って果たして間に合うのだろうか?

 このアイデアの根拠となっているのは、今年6月30日に閣議決定された規制改革実施計画だ。実施計画の中に「イベント開催時であって、宿泊不足が見込まれることにより、開催地の自治体の要請等により自宅を提供するような公共性の高いケースについては、旅館業法の適用外となる旨を明確にし、周知を図る」とあり、要するに自治体の要請を受けての有償民泊ならば、特例として認められることが記されている。

 活用するのは福岡市が初めてではなく、第1号は9月に宮城県で開かれた震災復興イベント「ツール・ド・東北」ではないかと思われる。より正確には、宿泊施設不足に悩んできた「ツール・ド・東北」主催者がこういったケースで有償民泊を許可するよう求め、これに国側が応えたということらしい。被災地復興イベントとアイドルのコンサートとではかなりイベントの質が違う気がするが、高島市長にとっては「ホテル不足が深刻なのは同じ」なのだろう。

 ホストを募っているのは福岡市だが、担当課に電話で尋ねたところ、実際にホストと宿泊希望者とを仲介するのは「複数の業者」だという。募集期間が短いことについては「多くの市民に応募してもらいたいのは確かだが、今回はあくまでも試行なので…」という答えだった。

 インターネットで調べてみると、福岡市内にも確かに民泊仲介業者が存在しており、すでに多数のホストが登録していることがわかった。業者側は、別に福岡市からホストの情報提供を受けなくとも両コンサート期間中の仲介は可能だったのではないかと思われるが、福岡市が“自治体要請”という手順を踏んでくれたことで、合法的に堂々と行えることになった。現在はまだグレーゾーンとみなされ、政府が取り扱いを検討している有償民泊仲介業を、福岡市は一足早く(先走って?)正当と認めてしまったわけだ。

 今回の民泊活用策について、インターネット上では「英断」と評価する声と、トラブル等を心配する声とが交錯しているようだが、どんな結果になるだろうか。
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