飯塚市議会の暴挙

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 福岡県飯塚市議会(定数28)が、政治倫理条例で規定された資産公開制度を廃止するという暴挙をやらかした。議員14人が連名で提案し、賛成多数で可決された。提案理由を説明した議員は「閲覧者が少なく、経費の無駄だ」と述べたという。その経費とは年間で200万円程とか。これに対して議員報酬は月額で46万円、ボーナスなしでも年額552万円だ。恐らく市民の中には「だったら議員定数を削減した方がよほど経費節減になる」と考えている人もいるだろう。それにしても情報公開が求められる世の中で、平気で逆行する神経が理解できない。

 飯塚市の政倫条例は1986年、福岡県内ではトップを切って制定されたと報道されている。これは間違いではないが、完全に正解でもない。現在の飯塚市は2006年3月、旧・飯塚市と穂波町など4町とが合併して誕生した新自治体で、この時に1986年制定の旧・飯塚市条例はいったん消滅した。翌2007年、改めて新・飯塚市で政倫条例制定が求められた際、手間暇などを嫌った市議会が旧市条例をそのまま流用したという経緯がある。だから現条例は1986年ではなく2007年に制定されたことになっている。

 問題は1986年には先進的だった条例も、21年後の2007年時点ではすでに時代遅れになっていたことだ。例えば、資産公開の対象は議員本人だけ。名義変更による資産隠しを防ぐため、公開対象を配偶者や親族まで広げるのが現在では主流であり、当然ながら市民団体からは猛反発を浴び、改正を求められた。しかし、議会側は現在に至るまで頬かむりして来た挙句に、制度そのものを廃止してしまったのだ。廃止の理由について、先の議員は「経費の無駄」というほかに、「実効性のないザル法だから」とまで述べたらしい。ザル法のまま放置したのは自分たちのくせに、それを棚に上げて廃止の理由に挙げたのだから、倫理も論理もへったくれもない。

 飯塚市議会は2013年9月にも議員1人に月額4万円を政務活動費として支給する条例案を、今回と同じく議会最終日に議員提案し、委員会審議を経ることなく賛成多数で可決した“前科”がある。以前は政務調査費として同額が支給されていたが、不適切な支出を暴く報道が相次ぎ、2011年4月の選挙前、これまた議員提案でいったんは廃止していた。にも関わらず、わずか2年後の復活だった。廃止にしても選挙目前という時期を考えれば、本当の狙いが透けて見える。議員提案とは“お手盛り”と同義語のようだ。
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