恋の浦の現在

IMG_4417.jpg

 福岡県宗像市の直売所に行った帰り、福津市の「恋の浦」に立ち寄って来た。ここには以前、鹿児島市の城山観光が運営する「玄海彫刻の岬 恋の浦」という野外美術館を兼ねたレジャー施設があり、開放的な雰囲気を気に入り、かなり頻繁に通っていたことがある。入場客減少により2001年12月にいったん休園したが、その後、跡地を買い取った別会社が2008年7月、「恋の浦ガーデン」の名前で営業を再開したと聞いていた。しかし、門は閉じられ、「休園中」の看板が掲げられていた。

 この日がたまたま休園日だったというわけではなく、2014年9月31日限りで一般営業を終了したとのお知らせが門の横にあった。「恋の浦ガーデン」としての歴史は6年程で終わっていたわけだ。現在はイベント利用に限って貸し出しているという。近くを通ったため、懐かしさもあって外観だけでも見ようと思ったのだが、それさえも叶わず、少し残念だった。

 「玄海彫刻の岬 恋の浦」は玄界灘に突き出た丘(岬)に造られた施設で、開園は1984年。100㌶以上の広大な敷地はカートで散策することができ、野外美術館のある岬の突端からは玄界灘の絶景が望めた。沿革を調べてみると、87年に屋外スケート場、91年に遊園地が新設され、この91年にピークとなる年間50万人が来場したという。私がよく通っていたのもこの時代で、施設入り口前の駐車場が満車のため、麓の駐車場からシャトルバスで運ばれることも度々だった。

 ところが、転勤でしばらく福岡県を離れた後、北九州勤務となった90年代後半に久しぶりに行ってみると、施設内の様相が変わっていた。スタッフが極端に少なく、遊園地では1~2人のスタッフが走り回って複数の遊具を動かしていたのだ。つまり、それで間に合う程度の入場者しかいなかったわけで、10年足らずの間にここまで凋落するのかと信じられない思いだった。もともと不便な場所にあるだけに、いったん飽きられると客足が遠のくのは早かったのだろう。休園前年の2000年、入場者はピーク時の4割程度まで落ち込んでいたという。

 城山観光が休園を決めた際は、温泉を新設するなど施設をリニューアルし、2年後に再オープンする計画だったというが、会社自体の経営再建を迫られ、果たせなかったようだ。城山観光は鹿児島市が本拠だが、以前は恋の浦のほか、ホテルや高級中華料理店などを福岡でも手広く経営しており、これに絡んでタクシーの運転手から面白い話を聞いたことがある。福岡空港で乗せた客が「城山ホテルまで」と言うので、中洲にあった城山ホテルに送ったところ、客はひと言「鹿児島の城山ホテルまで行って欲しいんだよ」。もちろんバブル時代の話で、鹿児島の城山ホテルで客が差し出したタクシーチケットには製薬会社の名前があったという落ちがつく。

 信憑性は「?」だが、あの時代ならば、あり得た話かもしれないとも思う。
関連記事
スポンサーサイト
[Edit]

コメント

非公開コメント