風レンズ風車撤去へ

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 福岡市早良区のシーサイドももち海浜公園に設置されていた3基の風力発電用風車から羽根が取り外され、発電不能の状態になっている。東区のみなと100年公園にあった同型の風車が破損事故を起こし、再発を恐れた市が半年前の昨年8月に取り外したという。風車自体も近く撤去する方針らしい。

 この風車は九州大の研究グループが開発した「風レンズ風車」で、風レンズと呼ばれるカバーにより微風でも効率的に発電できるというのが売りだ。市も“福岡の誇るべき技術”として開発を後押しするため、シーサイドももち海浜公園、みなと100年公園の二か所で2009年12月から、続いて油山の市営牧場もーもーらんどで2010年1月から、それぞれ実証実験を行っていた。設置されていた風車数はシーサイドももち3基(出力3kW)、みなと100年1基(同)、もーもーらんど1基(5kW)。発電した電力は照明や携帯電話の充電、もーもーらんどでは冷蔵設備などに使われていた。

 みなと100年公園で起きた事故は、暴風警報が発令され、最大風速20㍍の強風が吹き荒れる中、風車の羽根がビュンビュン回転した挙げ句に壊れ、破片の一部が車の窓ガラスを直撃したというものだ。風が強すぎる時にはブレーキが働くはずだったが、運悪くこれが故障していたという。幸いけが人は出なかったが、市が青ざめたのは間違いない。

 風レンズ風車が設置されていたのは全て不特定多数の市民が集まる場所。市側が風車撤去を決めたのは、実証実験開始から6年が経過し、「一定の成果が得られた」という理由だが、同時に安全性を考慮しての判断であることも明らかにしている。

 市側が挙げる一定の成果とは、実証実験で得られたデータが九大側の研究や設備改良に役立ったことや、小型風力発電設備に対する市民の認知度が高まったことだが、認知度が良い意味で上がったかは疑問だ。事故が起こり、再発を恐れてあっさり発電設備を撤去するわけだから、事情を知る市民が良い印象を持ったはずはない。風力発電が普及に値する自然エネルギーなのかはわからないが、このままあっさり実証実験から撤退したのでは、「風力発電は危険」というマイナスイメージしか残らない気がする。
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