ケヤキ・庭石事件

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 福岡市中央区の地行中央公園(写真)に植えられている「緑の桜」の品種を確認するため、市の公式サイトに植樹に関する資料がないか調べていたところ、妙なことがわかった。この公園には、かつて市を揺るがした“ケヤキ・庭石事件”のケヤキが植えられていたのである。その数はわずか3本だというが、博多湾人工島を舞台にした事件だと思っていたので、比較的身近な場所にも生き証人があったとは意外だった。もっとも、事件が世を騒がせていた当時の市議会会議録には、地行中央公園のケヤキについてもしっかり記録されており、私が知らなかっただけの話ではあるが。

 “ケヤキ・庭石事件”とは2002年に表沙汰になった一大スキャンダル。構図をごく簡単に説明すると、博多湾人工島の建設に当たっていた市の第三セクター「博多港開発」の社長、元市議ら3人が、利用計画のないケヤキ400本、庭石1万㌧を同社に購入させ、7億7,400万円の損害を与えたというものだ。3人は特別背任罪に問われ、有罪判決が確定した。実刑判決を受け服役した元市議は出所後、再審請求をしており、事件は完全に終わったというわけではない。

 博多港開発へのケヤキの販売価格は1本がなんと100万円。事件発覚当時、3人組は二束三文のケヤキ・庭石を法外な価格で売りつけたように報道され、私自身もそう信じ込んでいたが、ケヤキ1本100万円という価格は適正価格だったらしい。だから3人組は「不必要なものを買わせ、巨額の損害を与えた」という形でしか裁けなかったわけで、最も重い懲役3年の実刑判決を受けた元社長は「会社がケヤキ・庭石をちゃんと利用しさえすれば、何の問題もなかったはずだ」と強く反論、私なんぞは意外に説得力があると思っていた。

 しかし、よくよく考えてみれば、ケヤキ400本はともかく、庭石1万㌧を「ちゃんと利用する」というのは相当難問だ。人工島外周の緑地には異様な程多数の巨石が置かれているが、このぐらいでは到底1万㌧を使いきれず、結局大半を護岸に活用したという。壮大な無駄遣いだが、かと言って、本当に1万㌧の庭石が人工島内にゴロゴロ配置されていたのでは、住民はたまったものではなかっただろう。


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