避難所に届かない水や食料

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 熊本地震の本震が起きた16日土曜の午後、家族が車で熊本市に行き、避難所に食料などを差し入れてきた。まったくのボランティアで行ったわけではない。熊本市のある企業が社屋の一部を避難所として開放したが、必要物資が全く届かない。この企業は、家族が勤める会社の得意先。熊本の営業所を通じて相談があったため、社有車に可能な限りの食料を詰め込み、同僚と被災地に向かったのだ。

 わずかでも被災地のためになるのだからと快く送り出したものの、余震はなおも続いており、大動脈の九州自動車道をはじめとする道路網は寸断されている。道中を心配したが、無事に役目を果たし、17日未明には福岡市内の自宅に戻ってきた。行きは比較的スムーズに熊本市内に入れたが、帰路は深夜にもかかわらず大渋滞に巻き込まれたという。

 渋滞で緊急車両の活動を阻害しないよう、支援物資輸送などは本来なら行政に任せるべきだと思うが、熊本地震ではどういう理由か、被災者に水も食糧も行き渡っていないことが報道されている。家族の会社にSOSを発した熊本の企業も「このまま待っていたのではらちがあかない」という判断だったのだろう。熊本県や熊本市をはじめとする市町村職員は、救助、復旧、被災者支援のため懸命に働いているとは思うが、被害の大きさと10万人を超える避難者は想定外だったに違いない。

 熊本地震ではまた、宇土市庁舎が半壊し、八代市庁舎が「崩壊の恐れあり」として封鎖されてしまったことも引っ掛かった。復旧や被災者支援の要となるべき役所が真っ先にダウンするとは非常にお粗末な話で、支援活動等に支障が出ていないはずがない。両市庁舎とも老朽化しており、耐震診断でも問題ありとされていたという。

 どうして耐震補強をしなかったのかと腹立たしく思ったが、八代市は3月の市議会に庁舎建て替えの予算案を提案し、否決されていたことがわかった。議会が建て替えに反対した理由はお決まりの「財政難だから」だったようだ。それから1ヶ月も経たないうちに熊本地震が起きた。

 自戒を込めて書くのだが、庁舎建て替え、あるいは自治体職員の数や給与の問題は「金」の面だけで語られ、場合によっては公務員批判の材料にもなりがちだが、こういった大災害に直面すると、危機管理につながる問題でもあることがわかる。写真は福岡市内のスーパーで撮影した貼り紙。犠牲者の方々のご冥福をお祈りします。
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