福岡城扇坂の発掘調査

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 福岡城二ノ丸で「扇坂」跡の発掘調査が続いている。梅園への登り口に当たる場所で、藩政時代、文字通り扇形をした階段があったらしく、城内に掲示されている古地図にもその姿が描かれている。それにしても、なぜ、今さら階段跡などの発掘調査を行っているのだろうか? 想像はついたが、調査地点近くに設置されていた看板に明記されていた。福岡城跡整備のためだ。この整備の中身を具体的に言えば、幕末期の福岡城復元を目指している。調査は8月末までの予定だという。

 福岡城復元については何度が取り上げたことがあるが、福岡市が2014年6月に公表した「国史跡福岡城跡整備基本計画」をもとに改めて簡単に紹介すると、当面の整備期間は2014~28年度の15年間。この期間を2014~18年度の短期、2019~28年度の中期に分け、建物や石垣、土塁などの復元・修復を、絵図や古写真、発掘調査の結果に基づき段階的に進めていくことになっている。

 つまり、今年は福岡城整備がスタートしてすでに3年目になるわけだが、一見、福岡城址に大きな変化はない。計画は本当に進んでいるのかと疑問を覚えてしまうが、基本計画によると、短期計画で復元工事、つまり新たな施設建設が予定されているのは潮見櫓(
「動き出した潮見櫓復元」参照)程度だ。ほかに計画案の中に盛り込まれているのは旧母里太兵衛邸長屋門の修復、現存する建造物・遺構への解説・案内板の設置、舞鶴中学校跡地の駐車場・ガイダンス施設としての暫定活用等で、これらはすでに実施済み。計画は徐々に前進してはいるわけだ。

 続く中期計画で復元が予定されているのは、福岡城最大の建造物だったと言われる武具櫓(
「福岡城の武具櫓」「福岡城武具櫓、2度目の説明会」)、福岡城の正門に当たる上之橋御門、本丸裏御門、太鼓櫓等で、扇坂の復元もここで予定されている。福岡城址が大きく装いを変えるのは2019年度以降ということになる。建造物等復元の基礎資料とするため、福岡城址では今後、間断なく発掘調査が続くことになるのだろう。

 短期・中期を合わせた整備費は約70億円と見積もられている。やや話が変わるが、今回の熊本地震で巨大な被害を受けた熊本城の復旧費は、石垣だけでも約350億円(熊本市が公表した文化庁試算)、建造物を含めればさらに膨大な金額に膨れ上がると言われる。復元から間もない熊本城の飯田丸五階櫓や戌亥櫓等は石垣が崩壊し、倒壊寸前の状態だ。この惨状を思えば、歴史的建造物の復元は単に史実に忠実というだけでなく、耐震面も重要になるだろう。福岡城整備の70億円という金額にこの点が考慮されているのか、ふと疑問に思った。下の写真は2015年4月撮影の熊本城戌亥櫓。


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