西鉄ビッグバン

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 「あー、やっぱりね」という記事が7月30日の読売新聞朝刊に掲載されていた。福岡市が計画案を公募している大名小学校跡地(福岡市中央区大名2)再開発に、西鉄が名乗りを上げたというのだ。西鉄は跡地隣に西鉄グランドホテルを所有しており、同ホテルとの一体開発を提案しているという。大名小学校の廃校が決まって以降、西鉄に跡地を売り渡す方針らしいという噂があり、市議会でも問い質した議員がいたが、市側は一貫して否定してきた。現段階では西鉄案の採用が決まったわけではないが、公募というのは形だけで、実は市と西鉄の出来レースではないかという気がしてきた。

 大名小学校跡地には近代建築として評価の高い1929年完成の鉄筋コンクリート造りの校舎が残り、この春にまとまった跡地活用の指針『旧大名小学校跡地まちづくり構想』の中でも「意欲的なデザイン、アール・デコ様式は外部及び階段や廊下まわりの細部にも残っており、デザイン・構法等がすぐれている」などと称賛されている。

 西鉄がこの校舎をどうする考えなのか記事では触れられていないが、跡地に高級ホテルや商業施設を建設するという計画案から判断すると、恐らく取り壊されることになるのだろう。2013年2月に
「大名小校舎の報告書」という記事を書き、この中で校舎の先行きについて「特に評価の高い玄関部分だけをモニュメントして残し、残りは跡形もなく…」という無責任な予測を行ったが、案外的を射ていた可能性はある。

 『旧大名小学校跡地まちづくり構想』には最後に次のように記されている。

 跡地は、更新期を迎える天神・大名地区において貴重な空間であり、連鎖型まちづくりの視点も重要である。
 ※連鎖型まちづくりとは、跡地などの空間にビルやテナントを移転し、活動を継続させながらエリア全体の建て替えが順次展開していくようなまちづくりの手法

 まさに西鉄グランドホテルの建て替えを想定していたような書き方だ。構想の中で最も重要な点は、ひょっとしたらここだったのではないだろうか。

 それにしても西鉄がこれほどの経営体力を持っているとは予想外だった。福岡市は今、中心部・天神地区で「天神ビッグバン」というプロジェクトを進めている。極めて簡単に説明すれば、容積率の緩和により民間ビルの建て替えを促そうという、かつての土地バブルを思い起こさせる政策なのだが、西鉄はこの中で、土地交換で取得した毎日福岡会館(地図上のA地点)、所有する福岡ビル、天神コアなど(B地点)の再開発を進めることをすでに明らかにしている。これに大名小学校跡地(C地点)が加われば、西鉄は天神地区で三つの大プロジェクトを抱えることになる。「天神ビッグバン」というより「西鉄ビッグバン」である。
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