馬ヶ背とクルスの海

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 この盆休み、親族に連れられ宮崎県日向市の馬ヶ背に行ってきた。日向灘の荒波に削られて出来た柱状節理の断崖絶壁。現地の説明板によると、この柱状節理は1500万年前の火山活動によって生まれたという。具体的な火山名までは記されていなかったが、この辺りに広く存在する柱状節理は、尾鈴カルデラ(日向市の耳川河口一帯)を生んだ大噴火の産物だという。

 断崖絶壁の海面からの高さは約70㍍。展望台から見下ろせば、足がすくむという程ではないが、結構なスリルだった。同じく柱状節理の断崖絶壁で、有名な福井の東尋坊に「勝るとも劣らないスケール」と地元ではPRしている。残念ながら東尋坊には行ったことがないので優劣はわからないが、これだけの景勝地が地元・九州にあることを今までうかつにも知らず、もったいないことをしたとは思った。

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 馬ヶ背のすぐ近くには「クルスの海」と呼ばれる景勝地もあり、日向市観光協会などは馬ヶ背とセットで観光客を呼び込もうとしている。こちらは岩礁が十字型に削り取られ、近くの展望台から眺めると、なるほどクルス(十字架)に見えなくもない。横の岩場を組み合わせると「叶」のという字にも見えるとも言われ、「願いが叶うクルスの海」という売り出し方もされているようだ。近くの展望台には鐘(「クルスの鐘」というらしい)が設置され、鐘の台座には“恋人の聖地”よろしく南京錠がじゃらじゃらぶら下がっていた。

 観光協会のサイトには「願いが叶うクルスの海には、訪れると願いが叶うという不思議な言い伝えがあります」という一文が書かれているが、妙に現代的で漫画チックな伝説が本当に地元にあったのだろうか? 不審に思い調べてみると、2000年頃、地元では長く「十文字」と呼ばれてきた地形が「叶」という字に見えなくもないことに観光関係者が気付き、それから「クルスの海」の売り出し作戦が始まっていることを確認した。たかだか十数年の言い伝えだったわけだ。

 地元の熱意に冷水を浴びせるようで申し訳ないが、せっかくの景勝地を、伝説をでっちあげてまで彩る必要があるのだろうか。現代人が好むのは安っぽい言い伝えなどではなく、混じりけの無い絶景の方だろう。
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