放生会

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 福岡市東区の筥崎宮で開かれている放生会(ほうじょうや)に14日、十数年ぶりに行ってきた。筥崎宮まで地下鉄一本で行ける場所に住んではいるのだが、夜店を喜ぶ年齢でもなくなり、縁遠くなった祭りだ。今日も筥崎宮横の県立図書館に寄ったついでに「のぞいてみた」といったところで、天候が怪しくなったこともあり、早々に退散してきた。この放生会と博多どんたく(5月3、4日)、博多祗園山笠(7月1~15日)は「博多の3大祭り」とも呼ばれているが、梅雨末期に開かれる山笠はもちろん、どの祭りも不思議なほど雨にたたられている印象がある。“雨のどんたく”という言葉もあるぐらいだから、間違いではないだろう。

 放生会という名前の通り、もともとは殺生を戒める行事だというが、私にとっては参道にずらりと並んだ夜店を楽しむ祭りで、大方の市民も同様だろうと思う。“夜店”とは書いたが、放生会の場合は多くの店が真っ昼間から営業しており、正しくは露店と書くべきだろう。筥崎宮のサイトによると、その数は約500軒で、12~18日の期間中の人出を100万人と見込んでいるという。「3大祭り」と呼ぶにふさわしい規模だが、2009年までは「露店700軒」と報道されており、これでもやや陰りが出ていることになる。

 面白いことに『新修福岡市史 民俗編一』(2012)でも放生会の露店数減少を取り上げている。2011年の露店数は実際には450軒前後で、最盛期よりも150軒前後減ったことを指摘したうえで、減少の原因として少子化、嗜好の変化、さらに様々な規制等が露天商の経営を圧迫していることを挙げている。そのうえで、「放生会という祭礼の空間を盛り上げる露店の減少は気にかかる」とまで書いており、露店減少は市史にまで心配される程なのだ。

 とは言っても、短い時間ながら実際に参道を歩き回った限りでは、昔と比べて露店が大幅に減ったとは感じられなかった。ただ、明らかに減ったと思われる店はあった。一つがミシシッピアカミミガメの子亀(ミドリガメ)を捕える“カメすくい”の店で、以前は参道のあちこちで見掛けたが、きょうは1軒を確認しただけだった。一時は特定外来生物指定も検討されるなどアカミミガメは生態系の悪者扱いされており、むしろ未だに出店する業者がいることに驚いたぐらいだ。また、上記『新修福岡市史 民俗編一』には、恐らくは2011年の話として「韓流スターのポスターやブロマイドをくじ付きで売る店も増えた」と書かれているが、これはさすがに完全に消えていた。

 なお、アカミミガメの特定外来生物指定が見送られたのは、環境省のサイトによると「大量に飼育されており、指定により野外への大量遺棄が発生するおそれがある」ためだ。同省は2013年段階で国内では180万匹のアカミミガメが飼育されていると推計している。ただ、最盛期の1990年代には年間100万匹が輸入されていたが、近年は10分の1まで激減しているといい、同省は2020年をめどに輸入自体を禁止する方針だという。カメすくいの店はいずれ祭りから消えていく運命だろう。
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