8番目の姉妹都市

 福岡市とミャンマーの旧首都ヤンゴンとが姉妹都市の関係を結ぶことになり、福岡市で7日、調印式が開かれる。福岡市にとっては8番目の姉妹都市で、21世紀に入っての締結は2005年の米国・アトランタ、07年の韓国・釜山に次いで3例目となる。ただし、アトランタとは1993年からパートナーシップ都市、釜山とは89年から行政交流都市という形で交流を続けており、実質的には今回が21世紀になって初の縁組と言って良いだろう。日本とミャンマーとの姉妹都市締結も初めてだという。

 そのほかの福岡市の姉妹都市5都市は、米国・オークランド(1962年締結)、中国・広州(79年。中国相手の場合、名称は友好都市)、フランス・ボルドー(82年)、ニュージーランド・オークランド(86年)、マレーシア・イポー(89年)。

  福岡市が今年度、姉妹都市交流などの国際化推進費として計上している予算は4億7,300万円あまり。この全てが姉妹都市交流に使われるわけではないが、毎年、億単位の金が投じられてきたのは間違いないだろう。海外の都市と行政交流、あるいは市民レベルでの草の根交流を進めることは、「国際理解」あるいは「異文化交流」といった点では多分有意義なのだろうが、私のような一般市民にはどんな交流が行われているのが、それが何の役に立っているのか、非常に見えづらいところがある。

 1980年、広州市から友好都市締結1周年を記念して福岡市動物園に2頭のパンダが貸し出されたことがある。当時、国内では上野動物園にしかいなかったパンダを気軽に地元で見ることができ、これは有り難かったが、どうもこれ以外に交流の成果というべきものが思い出せない。

 その広州でも2012年の尖閣国有化の際は猛烈な反日デモ(実態は大暴動)が吹き荒れたと報道されている。広州の人口は1,000万人を超えると言われ、福岡も150万人。両市でどれだけの市民が交流を深めてきたのかは知らないが、総人口に占める割合は微々たるものだろう。あの国の根深い反日感情は、福岡市との交流程度で和らぐものではない。むしろ、国と国との関係がこじれれば、長年培ってきた都市間交流の実績など簡単に反故にされることが、特に中韓両国が相手の場合は顕著だ。「中国(韓国)との交流中止。子供たち落胆」といったニュースをどれ程耳にしてきたことだろうか。

 ただ、ヤンゴンとの姉妹都市交流に関しては、今までの7都市とは少し毛色が違う気がする。調印式で福岡を訪れるヤンゴン市の一行はかなりタイトな日程で市内各所を視察予定だが、その視察先とは水管理センターの配水調整システム、ゴミ焼却場、ゴミ埋め立て場、浄水場、汚水処理場等々。つまりこの交流によってヤンゴン市側が期待しているのは、上下水道やゴミ処理システムといった都市の基礎的インフラ整備に対する福岡市の技術協力で、福岡市側も地場企業のビジネスチャンスにつながると期待をかけている。経済的なメリット以上に、福岡市の支援によりヤンゴン市民の生活環境が劇的に改善されれば、彼らは福岡、日本に強い信頼を抱くことだろう。

 前述した中国の反日デモだが、大都市の中で唯一、大連だけはデモが起きなかったと言われる。大連は1979年から、北九州市と友好都市の関係にあり、深刻な公害を克服した経験を持つ北九州市は、これを生かして大連の環境改善を手助けしてきた。このお陰で、大連の大気・水質などの状況は中国大都市の中では比較的ましな部類に入るという。北九州市在住時代に聞いた話なので、自画自賛もあるかもしれないが、大連で反日デモが起きなかった理由の一つには、ひょっとしたら友好都市・北九州市の存在もあったのではないかと密かに思っている。

 【追記】福岡市と海外姉妹都市との交流実態について調べていて、かなり笑える話が見つかった。今年9月議会の一般質問で行われた議員と市長ら執行部とのやり取りだ。ニュージーランド・オークランド市との姉妹都市締結30周年を記念して今年9月、市と市議会が“別々の訪問団”を派遣したことに絡んでの話なのだが、やり取りを極めて大雑把に要約すると、議員「市長たちは立派な大型バスに乗っているのに、議員のバスは中古のおんぼろ。オークランド市長の夕食会にも呼ばれなかった。二度とこんな旅はごめんだ」、執行部「議会で主体的にやるからと独自の訪問団を出されたのでは。それに夕食会にはオークランド側も議員さんは出ていませんでしたよ」。血税を使って何をやっているのだか、この人たちは。
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