高宮浄水場廃止へ

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 福岡市南区大池にある高宮浄水場が廃止される。といっても廃止の時期は施設が耐用年数を迎える2024年頃の予定で、まだ7年も先の話だが、廃止を見据えて乙金浄水場の増強工事が今年度から本格化する。この乙金浄水場はれっきとした福岡市水道局の施設だが、場所はなぜか、大野城市の住宅街にある。だからといって、この浄水場の水が大野城市の家庭に送られているわけではない。市外に立地する浄水場は他にもある。多々良浄水場は粕屋町、瑞梅寺浄水場は糸島市。水源だけでなく、浄水場の建設場所についても福岡市は他の自治体の助けを借りている。

 本題の高宮浄水場は、福岡市中央区と南区との境にある鴻巣山(100㍍)山腹に1960年3月完成した。浄水能力は1日当たりで最大19万9000立方㍍。現存する福岡市水道局の5浄水場の中では最古にして最大の施設だ。廃止の理由は、完成から半世紀以上が経ち、老朽化が進んでいるためで、廃止に伴い乙金浄水場の浄水能力が現在の1日最大11万立方㍍から18万6000立方㍍に増強される。数字的にはマイナス分の方が大きいが、福岡市の浄水能力は現在、1日最大77万7000立方㍍(福岡地区水道企業団からの受水分も含む)なのに対し、使用水量は平均40万立方㍍、最大でも51万立方㍍。浄水能力にずいぶん余裕がある状況だ。(データは『福岡市水道事業統計年報(平成27年度版)』から)

 跡地はどうなるのか。1975年2月に廃止された平尾浄水場跡地は5年後、福岡市植物園に生まれ変わった。鴻巣山は市街地のど真ん中にある緑地帯で、山腹には浄水場のほか、平尾霊園があり、周囲は閑静な住宅街となっている。ひょっとしたら公園などが整備されるのだろうかと期待したが、跡地はそのまま水道用水の配水池となることが早くから決まっているという。市民への開放を求める意見も議会内にはあったようだが、「水道事業で整備したものであるので、水道事業の中で活用を検討していきたい」というのが市の方針だ。鴻巣山一帯が自然公園みたいなものだから、わざわざ跡地を公園にしなくても、という考えもあったのではないかとも思う。

 廃止に掛かる費用は総額562億円と見込まれている。内訳は、乙金浄水場の増強に250億円、浄水場廃止後の配水池整備に60億円、5浄水場体制から4浄水場体制に変更されることに伴う送水管再整備に210億円などで、これらは当然、水道料金で賄われることになる。浄水場一つ廃止するのにもこれだけ巨額の金がいるのだから、福岡市の水道料金がバカ高いのも当然だと思う。「日本人は水と安全はただだと思っている」などという警句らしきものがあるが、福岡市に住む身としては「水がただ」などと思ったことは一度たりともない。

 もっとも、政令市の中で比較すると、福岡市の水道料金は高い方ではあるが、一番高いわけでもない。福岡市議会事務局発行の『指定都市基本施策比較検討調』(平成26年度決算編)によると、月に20立方㍍の水を使用した場合の料金は、政令市で最も高いのが札幌市の3,585円で、次いで仙台市の3,488円。福岡市は2,788円で、高い方から6番目に当たる。ちなみに一番安いのは大阪市の2,073円。年間換算では、札幌市の水道料金は大阪市よりも18,000円以上も高いことになる。政令市の中でもこれだけでの差があることに少し驚いた。
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