福岡市動植物園

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 福岡市動植物園(中央区南公園)に20数年ぶりに行ってきた。緑の桜「御衣黄」、黄緑の桜「鬱金」が並んで咲いているという記事を読み、撮影に出かけたのだ。しかし、2本とも思っていた以上に高木で、まともな写真は1枚も撮れなかった。仕方がないので、代わりに(?)オランウータンの写真を撮ってきた。福岡市の動物園は近年、旭山動物園をお手本にリニューアルが続いており、動物たちの姿がよく観察できるようになっていた。ただ、個人的な感想を言えば、動物たちの展示スペースが広がった分(これは良いことだが)、人間側の観察路はさらに狭苦しくなったように思えた。

 この動植物園があるのは標高60㍍の丘陵地帯で、かつては大休山と呼ばれていた。江戸時代の地誌『筑前国続風土記』には、木こりたちがここで荷を下ろし、一休みしていたと地名の由来が書かれている。また、夜には鬼火が飛び回っていたともある。そんな鬼火の名所は、今では園の周囲をぐるっと閑静な住宅街が取り巻き、県外に住む私の親族は「おしゃれな店が並ぶ坂道(※浄水通りこと)の先に動物園があった」と立地に驚いていた。

 動植物園を合わせた敷地面積は約27㌶だが、1953年開園の動物園は10㌶と手狭。老朽化が進んでいたこともあり、バブルの時代、西区金武に移転する計画が浮上したことがある。450億円の巨費を投じ、50㌶の広大な自然動物公園を造るというものだったが、私はその成り行きを見届けないまま、転勤でこの街を離れた。10年近く後に戻ってくると、動物園は依然として南公園にあり、「?」と思っていたら、そのうちに財政難を理由に計画の白紙撤回が発表された。数年前、金武地区に農業公園がオープンしたが、これは移転計画に長らく振り回され、農地改良を見送ってきた地元に対する“おわび”みたいなものだという。(※植物園開園は1980年)

 一方、動物園は移転が立ち消えになって以降、徐々に改修が進められ、動物の飼育・展示方法に工夫が凝らされるとともに、エレベーターやスロープが整備され、バリアフリー化が進んだ。冒頭、「狭苦しくなった」といちゃもんをつけたが、一時は年間60万人程度まで落ち込んでいた入場者は、この改修が功を奏し、現在は約100万人にまでV字回復したという。

 23日の日曜日もベビーカーを押した親子や3世代ファミリーらでにぎわっていた。財政問題は別にして、動物園が現在地に残ったことは、市民や動物たちにとって良かったのか悪かったのか判断が付かないが、空港、動植物園、浄水場、海水浴場、霊園等々、普通は郊外にありそうな施設が福岡では市街地のど真ん中にある。コンパクトシティを売りにしているだけに、これはこれで福岡の特色なのかなと思う。

 本命の御衣黄と鬱金、2本の桜は盛りが過ぎ、花は少ししおれた感じだった。2種類の花の違いを確かめるのも目的だったが、私の節穴の眼では、鬱金の方が少し色が薄い気はしたものの、ほとんど区別がつかなかった。せっかくだから園内を散策し、温室では熱帯植物なども見てきた。大人600円の入園料で、動物も植物も楽しめるのだから、リーズナブルだ。これでも大人料金は昨年6月、200円値上げされたのだが、中学生以下の料金は依然として無料を貫いている。


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