眺めが残念過ぎる西公園

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 福岡市中央区の西公園をよく散策している。ジョギングや散策の場としては、近くにある大濠公園の方がはるかに人気があるが、西公園の適度な起伏を私は気に入っている。ただ、海沿いの高台にある割には、この公園からの眺めは期待外れだと思う。「展望台広場」と銘打ちながら、実際には木々に視界を遮られ、展望ゼロの場所さえある。県営公園でありながら、詐欺まがいなことをやっている。今さら木を伐るわけにはいかないだろうから、展望台広場の名前の方を下ろすべきだろう。

 西公園は「日本さくら名所100選」に選ばれ、花見のシーズンには大にぎわいするが、普段は日曜祝日でも静かな場所だ。大濠公園には大挙押し寄せてくる隣国からの観光客も、ここでは滅多に見掛けることはない。しかし、戦前には福岡市第一の観光名所だったようで、戦前のガイド本などには真っ先にこの公園の記載がある程だ。 今も昔も福岡に観光地が少ないことを証明するエピソードではあるが、例えば、1936年(昭和11)の博多築港大博覧会開催の際に出版された『躍進の大福岡』には、以下のように西公園が紹介されている。

 ◇西公園 福岡に足を留むるものは必ず此処に遊ぶ。「神さふる荒津の先によする波まなくや妹に恋わたるらむ」と詠まれた荒津山、県営にして日本的名公園である。四時の眺めは佳絶。(中略)玉垣の広場から福博全市を眺望し得る。広莫たる築港博の会場、及旧時代の福岡港を眼下に見る。(中略)奥の広場に達して眺望を恣にすれば、天空快闊、漂渺たる玄界灘の彼方沖合には外国通いの汽船が薄墨の煙を曳き、近くの博多湾口には残、志賀の二つの島を望む。(中略)春は満山の桜花真に妍を競ひて老若男女群を作し、絃歌昼夜の別なく酒宴大いに盛んにして、雑踏極まりなし、福博名物の一として既に他県に知られて居る。

 花見シーズンの酒盛りが盛んなのは現在でも同様だが、かつて西公園が誇った眺望の方は、前述の「展望台広場」以外も悲惨な状況だ。現在の西公園で最も眺めが良いのは「中央展望広場」だと思うが、残念ながらここも生い茂った松の枝が視界を遮り、しかも眼下に見えるのは石油貯蔵基地のタンク群。観光客がやって来るとしたら、眺望などではなく、この公園名物のホットドッグが目当てだろう。せめて松の枝を伐採し、博多湾内がもう少し見渡せるようにしてはどうだろうか。

 園内には近年まで5店の茶店があったというが、現在、常時営業しているのは2店舗しかない。こんなところにも西公園の観光不振が表れている。
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