江田船山古墳の石棺保存施設

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 先日、熊本県和水町のトンカラリンに行ったついでに、すぐ近くにある国史跡、江田船山古墳を見学してきた。75文字の漢字が刻まれた「銀象嵌銘太刀」など92点もの国宝が出土した5世紀後半頃の前方後円墳で、歴史的価値はトンカラリンの比ではない。本来ならば、「ついでに」見学するような史跡ではない。付近には塚坊主、虚空蔵塚という二つの古墳もあり、一帯は史跡公園としてきれいに整備され、桜並木もあった。見学した日は雨の平日だったこともあって、散策しているのは私たち以外にいなかったが、好天の週末、中でも桜の季節には多くの人でにぎわっていることだろう。

 古墳の墳丘上には鉄製の扉があり、「史跡江田船山古墳 石棺保存施設入口」と記されていた。恐らく事前予約しなければ、入れないのだろうと思ったが、ドアに記された注意書きを読んでみると、自由に見学できるようでもある。試しにドアレバーを引いてみると、難なく扉が開き、照明のスイッチを入れると、ガラス窓の向こうに大きな石棺が見えた。あいにく窓ガラスは石棺側が水滴で曇っていたが、驚いたことにワイパーまで付いており、お陰でガラス越しながら結構鮮明な写真を撮ることができた。組合式家型石棺というタイプのものらしい。それにしても石棺保存施設といい、史跡公園整備といい、江田船山古墳は本当に大事にされている。教科書に出てくる程の貴重な存在なのだから、当然かもしれないが。

 自由に石棺が見学できる古墳と言えば、地元・福岡市にも西区周船寺の
丸隈山古墳があり、こちらは鉄柵越しに横穴石室や内部に置かれた石棺を見ることができる。そう言えば、江田船山古墳と丸隈山古墳は石棺(石室)発見の経緯も共通している。一人の男が夢のお告げで掘り当てたのだ。発掘の時期は、丸隈山古墳が江戸時代の1629年、江田船山古墳が1873年(明治6)。前述のように江田船山古墳から多くの副葬品が出土し、国宝の数々は国立博物館が所蔵している。

 江田船山古墳からほかに、石人(石製表飾)も出土し、史跡公園にはその巨大なレプリカが据えられ、笑顔で見学者を出迎えていた。
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