紅葉の秋月

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 福岡県朝倉市の秋月に23日、紅葉見物に行ってきた。福岡藩の支藩、秋月5万石が治めていた静かな城下町で、秋月城址は県下有数の紅葉の名所だ。祝日とあり、城址一帯は大勢の行楽客で混雑し、秋月に通じる細い一本道は渋滞が続いていた。ただ、この日の秋月の賑わいぶりを伝えたNHKニュースによると、例年に比べ、人出は2割程減っているという。今年7月、同じ朝倉市の杷木地区を九州北部豪雨が襲い、秋月も被害を受けたと勘違いしている人がいるためらしい。

 肝心の紅葉だが、全体的にきれいに色付いてはいたが、紅葉前に枯れ始めている木々も目立った。10月下旬に台風21号が接近、沿岸部にある福岡市街地では海水混じりの強風により、葉が落ちたり、変色したりしたため、今年の紅葉は今一つだと言われている。山間部にある秋月も同様の状況なのだろうか。

 紅葉見物のついでに、秋月のたたずまいには似合わぬ“もめ事”の種となった二つの建物も見てきた。一つは城址の一角にある秋月中学校。風格ある木造校舎は歴史的景観と見事に調和している。朝倉市はこの中学校を秋月小学校の敷地に移転させたうえで、2020年4月に小中一貫校を開校する計画を打ち出し、地元住民からは反発が出ていた。上記のように九州北部豪雨が同市に甚大な被害をもたらし、市側は「復旧・復興を優先する」との理由で開校を21年度以降に先送りしたが、計画自体を撤回したわけではなく、この校舎の行く末はまだ、不透明だ。

 もう一つは秋月博物館。老朽化した秋月郷土館に代わり、10月21日に開館したばかりの真新しい施設で、1,000平方㍍弱のコンパクトな展示スペースには、島原の乱の戦いの様子が生々しく描かれた「島原陣図屏風」のほか、横山大観、ピカソ、シャガールら国内外の有名画家の作品が並んでいる。この博物館に絡むもめ事とは、市側が館長に予定していた人物に論文盗用問題が持ち上がり、市議会などから反対の声が上がったことだ。市側が人事案を取り下げ、落着したが、結局、誰が館長に就任したかの報道はなく、館の公式サイト等にも記載はない。館長は誰なのだろうか。

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 秋月中学校の校舎。校舎の居心地まではわからないが、これだけ見事な建物を無にするのは非常にもったいない気がする。

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 秋月博物館の館内。藩政時代の展示は充実しているが、それ以外の時代は質量とも物足りない。入館料は大人320円と良心的だが。

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 城址に通じる橋の上から見た紅葉。ここが一番きれいだった。

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 秋月の町の入口に架かる目鏡橋。野鳥川の増水の度に橋が落ちていたことから、8代藩主・長舒(ながのぶ)が長崎から石工を招いて1810年(文化7)に完成させた。長舒は、黒田以前に秋月を治めていた高鍋秋月家から養子に来た人物で、父は高鍋藩の中でも名君とされる秋月種茂、種茂の弟はあの上杉鷹山。二人の薫陶を受けた長舒は、この血筋に恥じない正真正銘の名君だったようで、藩校・稽古館の拡充強化や、養蚕、和紙・葛作りなどの産業育成を図り、秋月藩中興の祖とうたわれている。
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