二見ヶ浦

旧聞に属する話2010-二見ヶ浦5

旧聞に属する話2010-二見ヶ浦4

 祖父母の墓参りに行ってきた。二人は今、生前は縁もゆかりもなかった福岡県糸島市にある墓地に眠っている。墓地の眼下に広がるのは、夫婦岩で知られる二見ヶ浦。長年暮らしてきた熊本の小さな町から遠く離れ、さぞかし寂しいことと思うが、この眺めは気に入ってくれているに違いない。

 「夫婦岩で知られる二見ヶ浦」と書いたが、それは三重県の伊勢志摩(こちらは正確には「二見浦」と表記するようだ)にあるのではないかと疑問に思う人がいるかも知れない。福岡にもあるのである。しかも紛らわしいことに、今でこそこの地は糸島市だが、合併するまでは志摩町だった。志摩というのは古来より続く地名だ。

 福岡と三重とで、なぜこれほどまでに地名がかぶっているのかはよく分からないが、福岡の二見ヶ浦は、近くにある桜井神社の社領だ。この神社は黒田藩の2代目藩主が17世紀、伊勢神宮をモデルに創建したものだという。だからと言って、二見ヶ浦という名前までもが伊勢志摩にならったと断定できるほど単純なものではない。「邪馬台国東征説」まで持ち出し、福岡の二見ヶ浦を本家と唱える人もいるようだ。機会があったら、この地の歴史などを調べてみたいと思っている。

 二つの二見ヶ浦は、別に「こっちが本家だ!」といがみ合っているわけではなく、自治体同士は姉妹都市関係を結んでいる(いた)らしい。朝日の名所と言われる三重に対し、福岡の方は夕日の美しいことをPRしており、海岸沿いの道路には「志摩サンセットロード」という愛称がある。こういうのも住み分けと言うのだろうか。写真でも少しは分かってもらえると思うが、この道沿いには福岡とはとても思えない、驚くほど青い海が広がっている。

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