予想外に人気だった「かなたけの里公園」

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 福岡市西区金武の「かなたけの里公園」に散歩がてら立ち寄ってきた。田畑を買収し、そのまま公園化した農業体験施設で、広さは約14㌶。整備費は33億円に上るが、そのうちの27億円までを用地買収費が占める。福岡市郊外では田畑など珍しくもない。やむを得ぬ「事情」があったことは知っているが、こういった公園にニーズなどあるのだろうか、と疑問に思ってきた。ところが、休日午後の公園は、小学生らしき年頃の子供を連れた家族で大にぎわいしていた。意外だった。

 この公園を整備せざるを得なかった「事情」とは、この土地にかつて、福岡市によって自然動物公園整備が計画されていたことだ。中央区の住宅街のど真ん中にある市動物園は広さは10㌶と手狭のうえ、1980年代後半頃には老朽化が進み、新築移転構想が持ち上がっていた。その候補地となったのが金武地区だったのだ。

 1996年には、同地区の農村地帯50㌶に、飼育する動物の生息環境を再現した国内有数の自然動物公園を整備するという基本構想を策定するなど、市は本気だった。一部市民の間では移転反対運動が巻き起こっていた程だ。しかし、この構想は一歩も進むことなく、2002年に取りやめとなった。動物公園整備には450億円の巨費が見込まれ、財政事情の悪化で、不要不急の巨大プロジェクトに取り組む余力がなくなったためだ。

 これに困惑したのが、10数年もの間、動物公園計画に振り回され、土地利用を拘束されてきた金武地区の住民たち。要するに「かなたけの里公園」とは、動物公園の埋め合わせだったのだ。

 こういった経緯で整備された公園でもあり、必要性に疑問を覚えていたわけだが、冒頭紹介したように、市民の人気は上々の様子だ。入場無料、出入り自由の施設のため、来園者数は集計できないようだが、公園が主催する体験プログラム等の参加者は開園初年度は2万6000人あまりだったのが、2015年度には7万人を突破するなど、増加の一途だという。私が想像する以上に、多くの市民にとって土に触れる機会は貴重だったのだろう。福岡市も都会になったものだとつくづく思う。犬のフンはあちこちに転がっているが。
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