旧聞since2009

「洪水との共生」など世迷いごとでは

 幼児の頃の私は、近隣では「変な子供」として有名だったらしい。高校生ぐらいの時、親族が爆笑しながら教えてくれた。変だと思われた理由は、毎日、ヘルメットを帽子代わりにかぶって遊び回っていたからで、その頃の写真を1枚だけ持っているが、確かに変だ。このヘルメットは、当時人気だった特撮番組『忍者部隊月光』(1964~66年の放映)のキャラクター商品で、番組の大ファンだった私に、若い叔父が買ってくれたものだ。写真...

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油山市民の森リニューアル、まだ模索中

 新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言が解かれ、福岡市でも図書館や博物館、美術館などがようやく再開した。ここに至ってもアベノマスクが届いていない世帯がいまだに多い様子だが。それはともかく、駐車場が閉鎖されていた油山市民の森も利用可能になったので、一帯を散策し、中央展望台から福岡市街地を眺めてきた。ただ、感染防止のため、中央広場のベンチやキャンプ場、アスレチック、草スキー場は今なお閉鎖中で、平常の姿...

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同姓同名候補、過去にあった茶番劇

 先日行われた衆院静岡4区補選に、2人の田中健さんが立候補していることに目を疑った。最初に野党統一候補の田中さんが名乗りを上げたところ、案分票の出方を見る実験だとして、NHKから国民を守る党が敢えて同姓同名氏を擁立したという。2017年1月の佐賀県唐津市議選に2人の青木茂さんが立候補した際、興味を覚えて過去の事例を調べたことがある。同姓同名候補は、普通は偶然の産物だが、茨城県那珂湊市(現在は合併で消滅)...

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議員が不祥事で辞職したら定数減に

 「ふざけるな」と題したコメントをいただき、ブログ内容が気に障ったのだろうかと恐る恐る確認した。幸いにも8年近く前に書いた「福岡市議年収は1400万円超」を読み、福岡市議への厚遇ぶりに「ふざけるな!」と怒った人からのコメントだった。私もちょうど、福岡市議会に対して腹を立てていたところだったので、我が意を得たりの思いだった。 私の怒りの引き金になったのは、5日の各紙朝刊にあった田中丈太郎・福岡市議がわい...

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油山市民の森リニューアルへ

 24日、今年初めて油山(597㍍)に登り、中腹にある自然公園「市民の森」に下山後、夫婦岩展望台から福岡市街地をボーッと眺めたり、ほころび始めた桜の下で昼食を取ったりしてリフレッシュしてきた。市民の森一帯にはソメイヨシノやオオシマザクラなど2,000本弱の桜があり、この数は「日本さくら名所100選」に県内から唯一選ばれている西公園(中央区、1,300本)や、舞鶴公園(同、1,000本)を大きく上回る。福岡市内では有数の...

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1953年大水害、福岡市の好プレー

  7月の九州北部豪雨で被災した福岡県朝倉市に先日、また行ってきた。復旧作業は急ピッチで進んでいるというが、市内のあちこちに今も大きな爪痕が残り、見慣れた風景の変貌ぶりに度々言葉を失った。この朝倉という地は、「暴れ川」と呼ばれた筑後川の流域にあるだけに、過去にも度々大きな水害に見舞われてきた。この地に伝わる、ある奇習について、川を鎮めるための人身御供が形を変えて残ったのではないかとバカげた推論を立て...

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遅れる旧高宮貝島邸整備

 福岡市南区高宮に残る炭鉱王一族の邸宅跡「旧高宮貝島邸」の整備計画がようやく固まったらしく、各紙地域版で相次ぎ紹介されていた。それによると、福岡市は民間企業の力を借り、旧貝島邸をレストラン等を備えた迎賓館的施設に改装し、4年後の2021年度オープンを予定しているという。 これには驚いた。福岡市がこれまでに明らかにしてきた想定スケジュールでは、2016年度中には整備・運営を担当する企業を選んだうえで設計まで...

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旧高宮貝島邸の現状

 福岡市南区高宮に残る筑豊の炭鉱王一族の邸宅跡、旧高宮貝島邸周辺を歩いてきた。ちょうど2年前、邸宅跡は公園として整備され、2017年度中には一般公開される予定だと報道されていた。私もこのブログでそう紹介したが、邸宅入り口は今なおフェンスで囲われ、2014年秋(「旧高宮貝島邸」)、15年春(「続・旧高宮貝島邸」)に写真撮影に来た際と全く変わらない状態だった。周囲の木柵が倒壊するなど、かえって荒廃が進んだかもし...

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高宮浄水場廃止へ

 福岡市南区大池にある高宮浄水場が廃止される。といっても廃止の時期は施設が耐用年数を迎える2024年頃の予定で、まだ7年も先の話だが、廃止を見据えて乙金浄水場の増強工事が今年度から本格化する。この乙金浄水場はれっきとした福岡市水道局の施設だが、場所はなぜか、大野城市の住宅街にある。だからといって、この浄水場の水が大野城市の家庭に送られているわけではない。市外に立地する浄水場は他にもある。多々良浄水場は...

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二つの請願

 福岡市南区長住5にある長住中央公園再整備を巡り、地元自治会とソフトボール競技団体が対立、両者が市議会に請願を提出する事態になり、このほど市議会第4委員会で二つの請願が審査された。結果は自治会請願は不採択、ソフトボール側が採択。新聞各紙がこの対立を地方版で取り上げていたが、それによると、審査では競技団体に与する意見が圧倒的だったという。なぜ、これほど一方的な結果になったのだろうか。調べてみると、予想...

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義務的経費が膨らむ福岡市予算

 福岡市の2017年度一般会計予算案についての予測記事が先日、複数の新聞に掲載されていた。中身はほぼ共通しており、総額は8300~8400億円規模で、今年度の7845億円を大きく上回り、過去最大になる見通しだという。ずいぶん景気のいい書き出しだが、読み進めていくと非常に怪しくなる。主要財源の市税の増収はわずか20億円程度。一方で、義務的経費は今年度当初の3838億円から4450~4500億円まで増大するという。つまり予算規模が...

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8番目の姉妹都市

 福岡市とミャンマーの旧首都ヤンゴンとが姉妹都市の関係を結ぶことになり、福岡市で7日、調印式が開かれる。福岡市にとっては8番目の姉妹都市で、21世紀に入っての締結は2005年の米国・アトランタ、07年の韓国・釜山に次いで3例目となる。ただし、アトランタとは1993年からパートナーシップ都市、釜山とは89年から行政交流都市という形で交流を続けており、実質的には今回が21世紀になって初の縁組と言って良いだろう。日本と...

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市役所の広告エレベーター

 先日、福岡市役所の本庁舎に行き、ギョッとした。エレベーターの扉すべてが銀行や明太子屋などの大広告で覆われていたのだ。何となく噂は聞いていたが、区役所には行っても本庁舎に行くことなどは滅多にないので、初めて実物を目にした。いくばくかの広告収入を得ているのだろうが、正直なところ、“アジアのリーダー都市”を僭称している割には少しみっともない気がした。 エレベーターの広告は2008年から始まったらしい。このほ...

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「きららの湯」無償譲渡

 福岡県糸島市議会で28日、市所有の温泉「きららの湯」を民間企業に無償譲渡する議案が可決された。「きららの湯」は2003年、当時の二丈町(前原市、志摩町と合併して糸島市に)が7億6,000万円を投じて建設した施設で、市議会会議録に残る議員発言によると、現在でも2億7,000万円もの資産価値があるという。これを売却ではなく、ただでやるというのだから、糸島市というのは太っ腹な自治体だ。温泉をもらったラッキーな会社は日食...

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雁の巣ヘリポート新設計画

 福岡市東区奈多にヘリポートを新設する計画を国交省が進めている。福岡空港に常駐している警察、消防、報道機関等のヘリを移転させ、同空港の混雑緩和を図る狙い。建設予定地は具体的には、かつては雁ノ巣飛行場だった雁の巣レクリエーションセンター隣接地で、ここも飛行場敷地内だったと思われる。昨年秋頃から地元への説明が行われているが、やはり反対の声が多いと聞く。騒音や事故に対する不安が大きいのだろう。 国交省大...

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飯塚市議会の暴挙

 福岡県飯塚市議会(定数28)が、政治倫理条例で規定された資産公開制度を廃止するという暴挙をやらかした。議員14人が連名で提案し、賛成多数で可決された。提案理由を説明した議員は「閲覧者が少なく、経費の無駄だ」と述べたという。その経費とは年間で200万円程とか。これに対して議員報酬は月額で46万円、ボーナス抜きで計算しても年額552万円だ。恐らく市民の中には「だったら議員定数を削減した方がよほど経費節減になる」...

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水泥棒で渇水なし

 福岡市の隣町、春日市と那珂川町に水道水を供給している「春日那珂川水道企業団」が約40年間、無許可で那珂川の水を取り続けてきたことが今年明るみに出た。川の水を井戸に取り込み、あたかも地下水を取水しているように見せ掛ける、かなり悪質な手口。福岡県からは「違法行為は即刻やめろ」と命じられたが、そうなると1日当たり約11,000立方㍍の水(約44,200人分)が不足する。結局、福岡市が水利権を持つ那珂川の水の一部を4年...

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