旧聞since2009

布団詰め死体駅送事件

 福岡で戦後に起きた事件を調べる中で、推理小説まがいの殺人事件に出くわした。1957年(昭和32年)、福岡市の国鉄吉塚駅(当時)で、荷物の中から布団にくるまれた男性の死体が出てきたという事件だ。当時は「死体駅送事件」などと騒がれ、新聞も連日大扱いだったようだが、福岡ではあまり記憶されていない事件ではないかと思う。死体の“終着駅”が吉塚だったというだけで、主舞台が東京だったためだろうか。せっかくなので“忘れ...

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福岡拘置所の確定死刑囚一覧

 「福岡拘置所の確定死刑囚20人突破」という記事を昨年12月に書いた。実際に誰が収監されているのか? 一覧作りに挑戦した。確定死刑囚の名前はインパクト出版会の『年報・死刑廃止』シリーズなどを参考に、事件内容(犯罪事実)は過去の新聞記事などを参照した。(※氏名の後ろは生年月日。被害者の年齢はすべて当時。このブログで取り上げたことがある事件に関してはリンクを張っている) 尾田信夫(1946.9.19)(マルヨ無線事...

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大名小学校の校舎

 福岡市からまた一つ、数少ない近代建築が消えるかもしれない。1929年(昭和4年)完成の大名小学校校舎(中央区大名、鉄筋コンクリート3階建て)だ。同市の市立学校校舎では唯一戦前から残る。学校自体は市中心部の児童数減少による統廃合のため、2014年3月で廃校になることが決まっている。地域のシンボルでもあった重厚でモダンな校舎存続を願う声も上がっているが、例によって福岡市のやることだ。どうも雲行きが怪しい気がす...

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服役60年超の無期囚

 先日紹介した法務省公表資料「無期刑の執行状況及び無期受刑者に係わる仮釈放の運用状況について」に驚くべき記載がある。仮釈放審理状況を示した表に、服役期間が60年10月にも上る受刑者の存在が明らかにされているのだ(下表の赤枠参照)。審理が行われたのは平成22年(2010年)のことだから、現在も存命ならば刑務所暮らしは63年に及ぶ。 2010年時点で70歳代。従ってこの受刑者は少年の時に犯した罪で服役していることになる...

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福岡拘置所史

 前エントリーに続いて昭和時代の連続殺人犯・西口彰の話である。ネット検索すると、西口の死刑執行を、戸籍法に基づき福岡市長に報告した時の文書が出てくる。恐らく公文書が流出したのではなく、彼をモデルにした小説『復讐するは我にあり』の中にある記載を、小説の主人公・榎津巌から西口彰に名を変えて転載したものだと思うが、これには執行場所が「福岡市百道2-16-10 福岡刑務所土手町拘置支所」と記されている。私もそう...

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西口彰の“母校”

 タイトルの西口彰とは佐木隆三さんの小説『復讐するは我にあり』のモデルとなった連続殺人犯(被害者は5人)だ。彼の事件を調べていて、福岡市のミッションスクール(旧制中学校)を中退していることを知った。1925年(大正14年)生まれだから、彼が旧制中学校に通ったのは1940年(昭和15年)ごろ。男子が入学できるミッションスクールと言えば、福岡市には当時も今も2校しかない。中央区輝国にある泰星(現在は上智福岡に改名)...

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VAIO復旧は大仕事

 家族がメインマシンで使っているノートパソコン(VAIO VGN-NS50B)が壊れた。起動すると「Operating System Not Found」のメッセージが出て、ウインドウズがまったく立ち上がらないのだ。BIOSで確認してみると、ハードディスク(以下、HD)を認識していない。すでに保証期間は過ぎているし、家族が量販店で修理の見積もりを尋ねると「(低価格の)新品パソコンを買うよりも少し安い程度」と衝撃的な答えが返ってきた。そこで自力...

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市史編纂は無駄遣いか

 福岡市の昨年9月の事業仕分け(正式名は事務事業外部評価会議)で、『新修福岡市史』の編纂事業が「再構築」と判定された。再構築とは「事業をいったん廃止し、新たな枠組みでやり直せ」ということを意味する。福岡市にとっては初の体系的な歴史書を作ることがそんなに無駄なことなのか。判定に納得いかなかったが、福岡市の発表資料を読んで合点がいった。事業について基本的な知識すらない人たちが評価を行っていたのだ。 新...

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