旧聞since2009

ユリカモメは留鳥化するか

 福岡市中央区舞鶴公園のお堀にユリカモメの休憩場所ができ、写真のような状態になっている。この場所は「アカミミガメ哀れ」で紹介したハスの再生実験場所で、アカミミガメの侵入を防ぐため網で囲われている。ユリカモメが羽を休めているのは囲いの木枠の上だ。 舞鶴公園や隣接する大濠公園をはじめ福岡市には毎年、数多くのユリカモメが越冬のためやってくる。市民にとってはおなじみの鳥で、「福岡市の鳥」にも指定されている...

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『ファビオラ』復刻を

 中学生時代、『ファビオラ』という小説を学校の図書館で読み、感動した記憶がある。ローマ帝国ディオクレティアヌス、マクシミアヌス両帝時代の殉教者たちを描いた作品で、19世紀、初代ウェストミンター大司教のワイズマン枢機卿によって書かれた。高位の聖職者が作者なのだから全編がキリスト教的価値観で埋め尽くされ、非信者には少し理解しづらい部分もあるが、歴史小説として非常に優れ、登場人物も魅力に満ち溢れている。現...

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続・陸軍が掘ったペグマタイト

 戦前から戦中にかけて、福岡市西区今宿の長垂山で陸軍がペグマタイトを採掘していた話を昨年10月に書いた(「陸軍が掘ったペグマタイト」)。陸軍が欲しがっていたのはリシア雲母に含まれるリチウムだが、何に利用していたかは現在となっては不明らしい。何とか突き止められないかと、その後も色々資料を物色していたのだが、二つばかり関係ありそうな情報が得られた。結論から言えば、一つは完全に見込み違いだったが、面白かっ...

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享保の飢饉の餓死者数

 10日は数日来の寒波が緩み好天にも恵まれたので、飢人地蔵が祀られている2ヶ所の寺を散歩がてらめぐってきた。飢人地蔵とは享保17年(1732年)に西日本を襲った大飢饉の餓死者を弔ったもので、大休(現在の中央区南公園)にある飢人地蔵の話を過去にも取り上げたことがある(「大休と飢人地蔵」)。飢饉の原因は、中国南部で大発生したウンカの大群がジェット気流に乗って日本を襲い、稲を食い荒らしたためだと言われている。ま...

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給食にコーンフレーク

 私は小学生時代、給食でコーンフレークを何度か食べたことがある。福岡市立小学校に通っていた3、4年生頃の話で、時代で言えば1970年代。ケロッグやシスコーンが販売され、田舎の小学生にとっても珍しいものではなくなっていたが、何しろ学校給食である。当時の給食と言えば、主食は来る日も来る日もコッペパンか食パンばかり(米飯給食は始まっていなかった)。初めてメニューに登場した日、給食係がコーンフレークがザクザク入...

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アカミミガメ哀れ

 福岡市中央区にある舞鶴公園(福岡城址)のお堀で、ある実験が行われている。網で囲った区画の中でハスが栽培されているのだ。この堀は水面をびっしり埋めるハスが名物だったが、数年前から激減している。実験を行っている福岡市はアカミミガメによる食害が原因とにらんでいる。カメが侵入できない囲いの中でハスが育てば、カメには有罪判決が下される。その場合、5日夕刊で報じた読売新聞によると、市はカメを別の場所に移動さ...

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大名小校舎の報告書

 ちょうど1年程前、歴史ある福岡市立大名小学校の校舎が取り壊される懸念があると書いた(「大名小学校の校舎」)。児童数減少に伴う統廃合により、この小学校は2014年3月限りで廃校になる。学校があるのは、市の中心・天神に隣接し、目抜き通りにも面した場所。校舎は1929年(昭和4年)に完成した堂々たる近代建築だが、立地条件や福岡という街の体質を考えれば、雲行きが怪しいと考えたのだ。 1年前の記事の中では、市教委が校...

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