旧聞since2009

阿蘇のミヤマキリシマ

 阿蘇外輪山で近年“天空の道”(またはラピュタロード)などと呼ばれて人気を呼んでいる道を見てきた。外輪山と熊本県大津町と結ぶ通称ミルクロードから分岐する峠道(下の地図参照)で、雲海が立ち込めた時には道が空に浮かんでいるように見えるらしい。写真は道を見下ろす崖の上から撮影したのだが、重度の高所恐怖症なので結構怖かった。だったら止めておけば良いのだろうが、根っから大馬鹿者のミーハーなので、話題の場所には...

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野芥の塚穴

 福岡藩の儒学者、貝原益軒が18世紀初頭に完成させた藩内の地誌『筑前國続風土記』に「野芥塚穴」というものが出てくる。 <野芥村に石窟廿五所有。國俗は鬼塚と云。穴の入口は狭く、奥は廣し。皆南に向へり。左右及向の正面三方皆大石をたゝむ。上は大石を並べ、天井の如し。(中略)民俗は昔雹(ひさめ)降し時、人の隠れし所と云。或は人を葬し壙(つかあな)なりと云。皆ひがごと也。上古の時、未だ家居なくして、穴に住し時...

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篠栗九大の森

 福岡県篠栗町にある「篠栗九大の森」を散策してきた。九州大農学部の福岡演習林(計480ha)のうち、蒲田池の周囲に2kmの遊歩道を整備するなどして開設された水辺の森で、広さ17haの敷地内にはスダジイ、コナラ、ヤマフジなど計90種もの木々が生育している。水の中から生えた落羽松の森(写真)など、どことなく日本離れした風景にも出会える場所だ。 現地にあった説明板によると、落羽松は北米原産の落葉針葉樹で、別名はヌマス...

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富岡製糸場の現存を知らなかった

 この大型連休中、ユネスコ世界文化遺産への登録が確実になった群馬県の富岡製糸場に行ってきた。中高校生の頃、明治時代の「殖産興業」の項目では必ず習ったあの富岡製糸場が今も当時の姿のまま保存されているとは、今回の世界遺産の話題が出るまでまったく知らなかった。いくら群馬から遠い九州に住んでいるからとは言え、無知を恥じる以外にないが、少し責任転嫁させてもらうならば、日本史の教科書も悪いと思う。 富岡製糸場...

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国史跡がない北九州市

 写真は北九州市八幡東区の河内貯水池に架かる南河内橋。近くにある河内藤園に行った際に撮影してきた。河内貯水池とは八幡製鉄が工業用水確保のために1927年に完成させたダムで、橋はこの1年前の1926年竣工。凸レンズを二つ並べたような外観が特徴的で、「レンティキュラー・トラス」と呼ばれる形式らしい。複雑な形状を見てもわかるように、技術も金も手間も掛かるため欧米では19世紀に滅びた様式で、日本ではわずかに三つが造...

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