旧聞since2009

基肄城の本当の役割

 福岡県筑紫野市と佐賀県基山町にまたがる基山(標高405㍍)に登ってきた。町名は「きやま」、山名は「きざん」と読む。山中には国の特別史跡、基肄城跡がある。大野城と同じく、ヤマト王権が白村江の戦い(663年)で唐、新羅の連合軍に大敗した後、大宰府防衛のため665年に築いた朝鮮式山城だ。土塁や礎石、水門などが残っている。 福岡市方面からこの山に行く場合はJR原田駅(筑紫野市)からが近いと言われるが、道がわかりづ...

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百道浜沖の海底埋め戻し

 福岡市早良区百道浜沖の博多湾に作業船が浮かんでいる。数年前にも浮かんでいた。浚渫でもやっているのだろうと思い、格別気にも留めていなかったが、最近になって作業に関する説明板が百道浜の海岸に設置された。浚渫とはまったく逆で、湾内にあるくぼ地の埋め戻し作業だという。  看板によると、くぼ地が出来たのは昭和50年代後半の埋め立ての際、海底の砂を採取したためで、百道浜沖と西区愛宕浜沖の2ヶ所にある。一帯の水深...

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影が薄い西公園

 福岡市中央区の西公園をあてもなく歩き回ってきた。荒戸山、または荒津山と呼ばれる標高約50㍍の低山に整備された県営公園。江戸時代は眺望抜群で風光明媚な場所だったらしく、貝原益軒は『筑前國続風土記』の中で荒戸山に大きなスペースを割いて褒めちぎっている。 現在でも展望台からは博多湾を一望できるが、松の枝が眺望を遮り、しかも眼下に広がるのは石油貯蔵基地のタンク群だ。桜の名所として市民には親しまれているが、...

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今村カトリック教会、国重文に

 福岡県大刀洗町にある今村カトリック教会が国重文に指定される見込みとなった。5月15日に開かれた国の文化審議会で、「双塔を聳えさせた壮麗な煉瓦造教会堂」として意匠面が高く評価されたものだ。この教会については5年前の2010年4月にブログで取り上げている。読み返してみると、足りない情報が結構あったので、加筆修正のうえ再録させていただいた。     ◇ いろいろと評判を聞いていた福岡県大刀洗町にある今村カトリッ...

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消えたアカミミガメ

 福岡市中央区の舞鶴公園のお堀で今年、不思議なほどミシシッピアカミミガメを見掛けない。例年ならば、天気が良い時は多数のカメが水面を泳いでいる時期だが、今年は一帯を散策しても、下手したら1匹も見ない時さえある。きょう5月11日は五つのお堀を巡って相当じっくりカメを探してみたが、5号堀で1匹を見掛けただけだった。いったい何が起きているのだろうか? このお堀では名物だったハスが近年激減しており、再生を目論む福...

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海の中道海浜公園

 大型連休中に海の中道海浜公園(福岡市東区西戸崎)に行き、園内をぐるっと歩いてきた。遠出するだけの金がないので、この連休は体力作りに当てることにし、主に近場の山を巡っていたのだが、山歩きにも少し飽きてきた。そこで目先を変えて海辺の公園を散策することにした。総面積540㌶に及ぶ広大な米軍基地「キャンプ・ハカタ」跡地に現在もなお整備中の国営公園で、開園済みの区域だけでも約292㌶。中高年が歩き回るには十分す...

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天拝山は猫の山

 福岡県筑紫野市の天拝山に登ってきた。山麓の武蔵寺のフジ、登山口近くの谷を彩るシャクナゲが春の名物だが、残念ながら両者とも見頃を過ぎていた。その代わりと言っては変だが、ずいぶんたくさんの猫を見掛けた。山麓どころか、狭い山頂にも数匹の猫がうろうろしており、少しびっくりした。1枚目の写真の猫は山頂にある天拝山社の境内でくつろぎ、2枚目の猫はトカゲを狙っていた。山頂に住み着いているのか、それとも登山客から...

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ランタナ跡形なし

 福岡市博物館の花壇に植えられていたランタナが先頃、跡形なく伐採された。クマツヅラ科の低木で、和名は「七変化」。名前にたがわず、毎年初夏から晩秋にかけて色とりどりの花を咲かせていた(2枚目の写真は昨年10月撮影)。なぜ、急に伐採されることになったのか。不可解だ。 いくつか理由を想像してみた。冬の管理に失敗してただ単に枯らしてしまっただけという可能性はある。あるいは、ランタナの黒い実には毒があると言わ...

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やっぱり郡役所跡の発掘?

 福岡市中央区の赤坂門バス停横の駐車場跡地で、昨年暮れ頃から続いていた発掘調査が終わった。現地には「福岡城下町の発掘調査」という掲示板が設置され、調査期間は最初は3月31日までと告知されていたが、途中で1ヶ月延長された。しかし、4月末になっても調査が続き、本当に完了するのだろうかと危ぶんでいたが、さすがに2度目の延長はなく、調査地点は最終日に大急ぎで埋め戻されたようだ。5月1日には写真のような状態となって...

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