旧聞since2009

ミノムシはどこに

 福岡市中央区の西公園や大濠公園を、ひたすら木々を見上げながら歩き回ってきた。何が目的だったかと言えば、ミノムシを探していたのだ。私たち中高年が子供だった昭和時代、秋冬になると、木々には数多くのミノムシがぶら下がっていた。しかし、最近はまったく見かけない。天敵のハエが日本国内に侵入し、ミノムシを餌食にしているためだという。西公園を散策中、この話をふと思い出し、ミノムシを探してみようと思い立った。注...

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電気柵の恐怖

 先日、大野城市の「御笠の森」に行ったついでに、同市の仲畑地区を歩いてきた。私がこの街に住んでいた1970年代は、仲島、畑詰という二つの地区に分かれ、まだ農村の面影を色濃く残していた。田畑だけでなく、電気柵で囲われた牛の放牧地さえあり、バカな小学生だった私は不用意に電気柵に触れ、吹っ飛んだこともある。 放牧地があったのは、友人宅から別の友人宅に通じる細い道(通学路でもある)沿いで、確か数頭の牛が放し飼...

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大野城の「御笠の森」

 以前から気になっていた大野城市山田2の「御笠の森」に行ってきた。神功皇后の笠が突風で飛び、この森に引っ掛かったことから名付けられたという伝説を持ち、明治時代まであった御笠郡(旧・筑紫郡の一部で、現在の大野城、筑紫野市などに当たる)の名の由来ともなった由緒ある森だ。博多を流れる石堂川も、この辺りでは御笠川と呼ばれている。この森の何が気になっていたのかと言えば、小学校高学年時代にこの付近に住み、森は...

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大木に育った大博通りのワシントニアパーム

 この冬一番の寒さとなった12日午前、福岡市早良区のシーサイドももち海浜公園を散策したところ、ワシントニアパーム(ワシントンヤシ)が冷たい海風に葉をなびかせていた。宮崎市などでは南国ムードを演出している木だが、名前で想像がつくように実際は北米原産。意外に寒さに強く、氷点下数度までは耐えられると聞く。数十年前の中学時代、宮崎に修学旅行に行き、初めてこの木を目にした時は、少々大げさに言えば「ここは日本か...

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博多雑煮は戦後生まれ?

 博多で戦前に行われていた祭りや行事、風習などをまとめた『博多年中行事』(佐々木滋寛編、1935)を読んでいたところ、博多雑煮について、気になる記述があった。 博多では元日から三日間雑煮を祝ふが、餅は丸餅を用ひ、具には鯣(するめ)、椎茸、山芋、里芋、昆布、牛蒡、人参、鰹菜、鯛等を用ひ汁はすましである。或は角に切った鰤や鰹等を使ふ家もある。 何が気になるのかと言えば、具にタイが入っているのだ。博多雑煮は...

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