旧聞since2009

博多湾のノリ養殖と猪野銅山

 国土地理院が1975年(昭和50)に撮影した博多湾の航空写真に、有明海みたいな風景が写っていた。シーサイドももち埋め立てで消滅した百道海水浴場のすぐ沖に、ノリ網が多数設置されているのだ。こんな市街地に近い海域で、昭和後期まではノリ養殖が行われていたのかと少し驚いた。博多湾のノリ養殖は現在、姪浜で続いているだけだが、かつては湾内で広く行われ、「博多湾ノリ」のブランドで各地に出荷されていたという。(写真は...

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わがままになって福岡から帰ったパンダ

 上野動物園で誕生したパンダの赤ちゃん、シャンシャン(香香)が大人気だが、福岡市動物園にも以前、中国から貸し出されたパンダの中にシャンシャンがいた。もっとも、こちらはオスで、漢字では珊珊と書いた。福岡に来た時はすでに25歳で、相方だったメスのパオリン(宝玲)も17歳と、結構な高齢カップルだった。パンダ来日はちょうど私が学生時代のことで、せっかくパンダが福岡に来たのだからと、同級生と男ばかり十数人で見に...

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米一丸伝説のモデルは…

 学生時代、下宿近くの福岡市東区箱崎に米一丸というバス停があり、妙な名前だなと思っていた。当時は全く関心がなかったが、バス停近くには一帯の旧地名の元となった「米一丸の供養塔」があり、地蔵堂も建っている。供養塔の傍らには12基の梵字板碑や鳥居さえある。神仏習合を通り越してしまったような場所だが、不思議なことに雑多な雰囲気は感じられない。地蔵堂内も敷地も非常にきれいな状態で、地元の人に大事にされているこ...

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変化を続ける箱崎の風景

 先日、福岡市東区箱崎の県立図書館で調べ物をしたついでに、界隈を散策してきた。過去に解体を取り上げたことがある九大の旧法文学部本館や筥崎宮の大鳥居はきれいさっぱり取り壊されていた。どちらも老朽化が進み、特に旧法文学部本館に関しては「寿命に達している」とまで診断されていた建物だから、解体は仕方がない。仕方はないが、そこにあるべきものがない風景には、やはり違和感を覚えた。(写真1枚目が旧法文学部跡地、...

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続・樋井川河口にあったものは

 先日書いた「樋井川河口にあったものは」には複数のコメントをいただき、貴重な情報も寄せていただいた。こんな個人ブログの記事に興味を持ってもらえたのかと思うと、非常な励みになった。仕切り直しで、再度古い住宅地図や資料などを当たっていたところ、福岡市総合図書館でたまたま手に取った古い新聞記事の切り抜きに、樋井川河口にあった謎の一角の正体が書かれていた。ツイッターやブログのコメントで複数の方から指摘があ...

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樋井川河口にあったものは

 福岡市の古い空撮写真や地図を眺めていて、妙なものがあるのに気付いた。写真は1956年(昭和31)に米軍が撮影したものだが、樋井川河口の地行側に長方形の一角が写っている。妙なものとはこれのことで、樋井川との間に開口部が設けられているところを見ると、最初は船溜まりではないかと思った。ツイッターで写真を取り上げたところ、同様のご意見をいただいたが、写真に見える修猷館高校や西南学院中高、西新小学校のグラウンド...

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百道浜の長生き?野良猫

 「モンバン君」と勝手に呼んでいる野良猫が、福岡市早良区の百道浜界隈にいる。6~7年前だったか、最初にこの猫の存在に気付いた時、いつも福岡市博物館の裏門横にいたことから、門番呼ばわりするようになった。猫の個体識別が得意なわけではないが、この猫は額の模様が特徴的で、横分けした前髪を垂らしているようにも見える。つい先日も博物館前庭を元気に歩いているのを見かけた。つまり、この猫は少なくとも6~7年は生き...

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雷山山頂のコバノミツバツツジ

 糸島市の雷山(955㍍)に登ってきた。紅葉の名所として有名な雷山千如寺大悲王院、古代山城跡の雷山神籠石など山中の名所・旧跡には何度か行ったことがあったが、山頂は初めて。雷山がある脊振山系は福岡・佐賀県境に広がる断層山地で、佐賀県側はなだらかだが、福岡県側は急崖だと言われている。つまり福岡県側から登れば、非常にしんどい。知識としては知っていたが、そのしんどさを我が身で経験してきた。 ルートは、雷山千...

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