旧聞since2009

世界的な彫刻家だった「ブルドン」の作者

 福岡市早良区の市総合図書館前に、黒御影石製の犬の彫刻が置かれている。「ブルドン」というタイトルから判断すれば、ブルドッグがモデルなのだろうが、愛嬌のある顔立ちはパグにも見える。恐らく若手の作品だろうと勝手に想像していたが、訃報で、作者が世界的な彫刻家だったことを知った。今年7月、95歳で亡くなった流政之さん。代表作は、ニューヨークの世界貿易センター前にあった重さ250㌧の巨大石彫「雲の砦」。この作品...

続きを読む

終戦直後まであった「田島の女中市」

 写真は、現在の山口県下関市で昭和時代まで続いていた「滝部の奉公市」を記録したものだ。滝部地区周辺の漁村では、女性たちが農繁期、近隣の農家に働きに出る慣行があり、こういった青空労働市場で雇用関係を結んでいた。賃金は、現金ではなく米などで支払われていたらしい。漁業者側はこれで米を確保できる一方、農家側も忙しい農繁期にだけ人を雇えるメリットがあったという。同様の風習は、玄海灘に浮かぶ福岡県の大島(現・...

続きを読む