2019/01/21 歴史雑記 明治に廃れた子供の正月行事「千ざいろう」 博多の行事や風習をまとめた戦前の出版物『博多年中行事』(佐々木滋寛編)に書かれていたのだが、博多の子供たちは昔、「千ざいろう」なる正月行事を楽しんでいたという。破天荒というか、結構乱暴な催しだが、だからこそ子供たちは楽しみにしていたことだろう。 どんな催しかと言えば、『博多年中行事』には次のように紹介されている(囃し言葉は長いので、省略した)。 町の子供が五人十人と一団となって、ヒョーヒョー(木... 続きを読む
2019/01/18 街や世相 赤く塗られた頭蓋骨を見て人骨標本の空騒ぎを思う 福岡市博物館の企画展示室に現在、赤く塗られた頭蓋骨が展示されている。西区にある千里大久保遺跡の発掘調査で、5世紀に造られた円墳から出土したもの。赤く塗られているのは、魔よけの意味とともに、顔料に防腐効果があるためで、顔料の正体は分析の結果、ベンガラと判明したという。上の写真は60歳代ぐらいの男性で、下は40~50歳代の女性。支配階級だけあって、30歳ぐらいとされる古墳時代人の平均寿命をどちらも大幅に上回... 続きを読む
2019/01/15 街や世相 山辺道と草野の町 農産物の直売所巡りで、福岡県久留米市と大分県日田市を結ぶ道をよく通っている。以前は国道210号線ばかりを使っていたが、最近は景観に魅かれ、耳納連山の北麓を走る県道151号線を通ることが多くなった。藩政時代には久留米城下と天領の日田とを結んだ旧日田街道の脇道だった路線で、通称は「山辺道」。奈良県にある同名の古道は「やまのべのみち」だが、こちらは「やまべみち」。耳納山麓に多数の古墳が連なる景観を奈良になぞ... 続きを読む
2019/01/12 史跡探訪 発掘調査が続く潮見櫓跡、復元はいつになる? 福岡城址の潮見櫓跡で発掘調査が行われている。私が気付いたのはつい最近だが、現地の立て看板によると、調査は昨年8月に始まったとのことで、終了期日については「未定」と結構衝撃的なことが書かれていた。何が衝撃なのかと言えば、福岡市が2014年6月に策定した『福岡城跡整備基本計画』の中で、潮見櫓は2014年度から18年度までの5年間で復元されることになっていたからだ。つまり今年3月までに復元工事が完成していなけれ... 続きを読む
2019/01/09 歴史雑記 「漢委奴国王」の金印、帰郷40周年 入館料が200円と格安なこともあり、暇な時は福岡市博物館の常設&企画展示室に入り浸っている(特別展は入館料が高いので、よほど興味がある時以外は行かない)。企画展示室では年明けから、新春の恒例となった感がある国宝の名刀「圧切(へしきり)長谷部」の展示が始まり、今年も刀剣女子たちが詰めかけている。同じく国宝「漢委奴国王」の金印=写真=が出迎える常設展示室も普段に比べれば、にぎわっている感じだ。 この金... 続きを読む
2019/01/06 昭和の昔話 子供時代の自分を褒めてあげたい 正月休み、宮崎県内の道の駅を巡った帰りに、とある農村部の道を通った。この道沿いにはかつて、家族の祖父の家があり、家族は宮崎市に住んでいた子供時代、夏休みには両親に連れられ姉妹3人で遊びに行き、祖父宅で過ごすのを楽しみにしていた。ただ、移動は大変だったという。当時はマイカーがなかったため、最寄の駅で列車を降りた後は祖父宅まで歩いて行っていたが、これがずいぶん遠かった上に、道もでこぼこ。長い長い時間... 続きを読む