旧聞since2009

団地の公園みたいな板付弥生のムラ

 福岡市博多区にある板付遺跡は、我が国で稲作が始まった弥生時代初め(紀元前4世紀頃)の集落跡として全国的にも有名な遺跡で、1976年には国史跡に指定され、1995年6月には環濠集落を復元した史跡公園「板付弥生のムラ」が全面オープンしている。環濠集落のほかにも、水田や用水路、ガイダンス施設などを備えた立派な施設なのだが、全体の広さは2万8,000平方㍍弱と、佐賀県の吉野ヶ里歴史公園(広さは100㌶超)などに比べれば...

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油山市民の森リニューアル、まだ模索中

 新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言が解かれ、福岡市でも図書館や博物館、美術館などがようやく再開した。ここに至ってもアベノマスクが届いていない世帯がいまだに多い様子だが。それはともかく、駐車場が閉鎖されていた油山市民の森も利用可能になったので、一帯を散策し、中央展望台から福岡市街地を眺めてきた。ただ、感染防止のため、中央広場のベンチやキャンプ場、アスレチック、草スキー場は今なお閉鎖中で、平常の姿...

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聖福寺に伝わる「伝」頼朝像の模写

 先日、山川出版から出されている高校日本史の教科書『詳説日本史』(2010年改訂版)をめくってみた。私たち中高年が源頼朝の肖像画だと習ってきた京都・神護寺所蔵の絵画(国宝)を巡り、足利尊氏の弟、直義を描いたものだとの新説が出され、論争が続いている。教科書はどう扱っているのだろうと、ふと疑問を覚えたのだ。ところが、問題の肖像画は掲載されていなかった。それどころか、登場する歴史上の人物の肖像画自体がほとん...

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本当に始まった福岡城潮見櫓復元

 福岡市中央区にある福岡城潮見櫓跡地で、工事が行われている。跡地が工事用フェンスで囲われ、潮見櫓の石垣保存修復工事を告知する看板が立てられていることを先日「福岡城潮見櫓の復元、ようやく着工?」の中で紹介したが、その工事が始まったものとみられる。工事予定地内の樹木伐採もすでに終わり、明治通り側から見た櫓跡地は、妙にすっきりした状態になっている。(写真1枚目が今月12日、2枚目が22日撮影。3枚目が城内側...

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黒門の馬頭観音と愛宕の馬市

  福岡市中央区黒門は、藩政時代にあった実在の門から名付けられた地名で、1963年に行われた町界町名整理により、新大工町、西唐人町、大濠町の3町を統合して誕生した。ただ、少し不思議なのは、黒門があったのは明治通りを挟んだ現在の荒戸3丁目、数年前まで『黒門飴』の板谷商店があった辺りで、近接してはいるものの、全く別の町に黒門の名を付けたことになる。黒門は幕末、暗殺予告の斬奸状が張り出されていた場所で、この...

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福岡城潮見櫓の復元、ようやく着工?

 福岡市中央区の舞鶴公園お堀端にある潮見櫓跡地がフェンスで囲われている。フェンスの一角には、石垣の保存修復工事を告知する看板が立てられ、工事期間については「令和2年2月27日から令和3年8月31日まで」とあった。また、看板の横に掲示されているB4サイズの紙には、今年から潮見櫓の復元工事に着手するが、そのために13本の樹木を撤去すると書かれていた。福岡市が2014年に策定した『福岡城跡整備基本計画』では、潮見...

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大濠公園の日本庭園、美術館と一体整備へ

 福岡市中央区の大濠公園の一角に日本庭園がある。長く福岡市に住んでいるので、存在ぐらいは知っていたが、風流などとは全く無縁の人生を送っているため、足を踏み入れたこともなかった。昨年、好天に誘われて大濠公園を散策した際、ついでだからと初めて入園してみたのだが、園内は想像以上に広大で、木々が多いのに驚いた。大濠公園は市民にとって、ランニングや散策、サイクリングなどを楽しむ活動的な空間だが、庭園内だけは...

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犬、猫の殺処分、福岡も劇的に減っているが…

 私が住んでいる福岡県は、犬、猫の殺処分が全国でもとりわけ多いことで悪名高い自治体だった。2008年までは、ほぼ毎年のように全国ワースト。県や福岡市もさすがにこれを恥じ、飼えなくなった犬、猫の引き取りを有料化することで、不名誉な1位を返上することはできたが、それでもワースト上位には現在も名を連ねている。引き取り手数料は、犬、猫ともに生後91日以上が2,000円、未満が400円。今も殺処分が多いのは猫、しかも大半...

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白昼暴れる北崎の幽霊

 福岡市西区北崎にちょっと変わった幽霊話が伝わっている。戦前に出版された『伝説の糸島』(鷹野斜風、糸島新聞社、1933)で読み、笑ってしまった。恨みを抱えて死んだ老婆が凶悪な幽霊となり、住民らに復讐する話。こう書くと、笑える要素はないようだが、老婆の幽霊が出てくるのは、なぜか白昼で、しかも復讐と言っても誰かを取り殺すわけではなく、ひたすら大暴れするだけなのだ。(北崎は1961年に福岡市に編入されるまでは、...

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