旧聞since2009

下之橋御門公開

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 福岡城の下之橋御門が3、4日の2日間、午前10時から午後3時まで一般公開されている。普段から自由に通り抜け可能だが、この2日間に限っては2階部分に上がることができる。2階には板の間が2部屋と廊下があり、想像以上に広かった。配布資料によると、2階部分の幅は12m弱(資料の記述は6尺5寸×6)、奥行きが6m弱(同6尺5寸×3)なので、広さ約70平方mといったところ。風呂やトイレ、キッチンがあれば、十分生活できそうだ。

 福岡城には往時、上之橋、下之橋、追廻橋の3橋にそれぞれ門があり、下之橋御門は主に奥方やお女中の出入りに使われていたという。勝手口みたいなものだろうか。ご記憶の方も多いと思うが、この門は2000年8月15日に一度、不審火で焼けている。この当時には2階部分はなかった。

 復元のため、市教委が門をいったん解体して調べたところ、本来は2層構造の櫓門で、明治時代の改築により2階部分が取り払われたらしいことがわかった。そこで上之橋御門(現存していない)の古写真なども参考に復元工事が進められ、2008年11月に現在の門が完成した。

 建造物がほとんど残っていない福岡城跡なので、立派な門が再建されたのは喜ばしいが、だからといって不審火が許せるものではない。再建費用は3億円にも上っている。火事の真相は結局不明だったが、火の気のない建物が焼けたのだから、放火、あるいは失火の疑いが極めて濃いだろう。門の2階には火事の生き証人、真っ黒に焼け焦げた建材や瓦が展示されていた。


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