2014/05/25
阿蘇のミヤマキリシマ
阿蘇外輪山で近年“天空の道”(またはラピュタロード)などと呼ばれて人気を呼んでいる道を見てきた。外輪山と熊本県大津町と結ぶ通称ミルクロードから分岐する峠道(下の地図参照)で、雲海が立ち込めた時には道が空に浮かんでいるように見えるらしい。写真は道を見下ろす崖の上から撮影したのだが、重度の高所恐怖症なので結構怖かった。だったら止めておけば良いのだろうが、根っから大馬鹿者のミーハーなので、話題の場所には遅ればせながらでも行ってみたいのである。
とは言っても、この道を通る勇気まではなく、ミルクロード経由で外輪山を下り、せっかくだからと阿蘇・草千里に足を延ばしてきた。例年ならば、阿蘇山上の各所がミヤマキリシマの花でピンク色に染まっている季節だが、今年は花を咲かせた株が非常に少ないという。先日読んだ西日本新聞の記事によると、阿蘇・中岳が大量の火山ガスを放出しており、これが影響した可能性が高いらしい。
火山ガスの成分のうち、二酸化硫黄の放出量は福岡管区気象台が随時観測しており、公式サイトで公表されている数字を見ると、今年1~3月は1日当たり700㌧から2,300㌧に上っていた。中岳の活動が平穏な時は1日当たり500㌧程度だというから、最大4倍以上の有毒ガスが放出されていたことになる。火山環境に適応して分布を広げてきたと言われるミヤマキリシマにとっても、これは厳しい環境だったのだろう。
ただ、草千里から周囲を見回すと、峰によっては例年同様ピンクに染まっている所もあった。花の付きが悪いと言っても、場所によってかなり状況が違うようだった。風向きの関係だろうか。
上に書いたようにミヤマキリシマは火山環境に適応した植物で、火山の活動が静まり森林化が進んでいくと、かえって数を減らしていくらしい。ミヤマキリシマよりも背丈が高い樹木が増え、日当たりが悪くなると生きられなくなるためで、現に大分県のくじゅう山系では50年前に比べ、1割程に激減しているという記事を以前読んだ。火山活動が激しすぎると被害を受けるが、静まるとやがて滅びる運命にある。難しい環境に生きる花だ。
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