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百道浜にこんな標識が

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 福岡市早良区西新~百道浜にある全国2番目の「サザエさん通り」に25日、写真のような案内標識がお目見えした。

 この日朝、百道浜を歩いていたら、ビニールで覆われた看板らしきものが目に付いた。シルエットが明らかにサザエさんだったので、「サザエさん通り」関係の看板の類いだろうとは想像がついた。午後、もう一度同じ道を通ると、すでにビニールが外され、標識が姿を現していた。市のサイトに掲載されていた報道発表資料によると、通り沿いに計7ヶ所の案内標識が新設され、この日午前10時半から除幕式が行われたという。

 この通りが誕生した(正確には既存の通りに愛称が付けられた)のは2012年5月。原作者の長谷川町子さんが戦時中、一帯に疎開し、百道の海岸を散歩中に『サザエさん』の登場人物を思い付いたことにちなむ。誕生から間もなく3年。一部の熱狂的なサザエさんファンは別にして、全国的な知名度は今もゼロに等しいとは思っていたが、驚いたことに、グーグルマップにはいつの間にか「サザエさん通り」と表記されている。

 通りの起点に当たる交差点にはちょうど1年前、高さ3.8㍍、幅4.6㍍の大きなサザエさん看板が据え付けられた(「サザエさん通りの大看板」)。大看板や標識は行き当たりばったりで設置されているわけではなく、2013年度に開かれた「サザエさん通り」構想検討会の議論に基づき、計画的に進められている。行政が予算を使って行っているのだから、当たり前と言えば当たり前だが。

 案内標識の設置だけでなく、長期的には歩道改良や通りの所々に休憩スペースを設けるなど、歩いて楽しい通りにするためのハード整備も検討されている。通り沿いにある西南学院大はちょうど、創立100周年(2016年)を記念したキャンパス再整備の真っ最中だが、セットバックして歩道を広げるなど、積極的に協力していく方針らしい。構想検討会には西南学院大のバークレー学長(次期理事長)が副会長として加わっていたが、議事要旨を読むと、彼の前向き発言が目に付いた。

 この通りが誕生した時、“名前を付けて終わり”で、別に広がりがある話ではないだろうと思っていた。しかし、通りを中心に一帯の街づくりを進めるという結構大掛かりなプロジェクトにいつの間にか発展していたようだ。
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