2015/06/14
黒門川の河口はどこ?
福岡市中央区に黒門川という川が流れている。と言っても大半は暗渠になっているため、地上で見られる部分はわずか。黒田長政が福岡城を築城した際、入り江を埋め立て巨大な外堀を造った。外堀が現在の大濠公園。黒門川は築城の際、外堀の排水のために開削された人工の水路だ。
暗渠化されたのは比較的近年のことで、1988年。翌年の89年、埋め立て地のシーサイドももち完成を祝いアジア太平洋博覧会が開かれたが、これに先立ち会場へのアクセス道路として黒門川が暗渠化され、現在の黒門川通りが整備された。
この当時、黒門川は生活雑排水の流入でドブ川と化しており、東岸の荒戸側住民は暗渠化を歓迎したという。しかし、西岸の唐人町側は水辺空間を残して欲しいと反対した。現在、唐人町側の歩道だけに水路が流れ、親水公園風になっているのは、こういった理由のようだ。
1980年頃、大濠公園近くに友人が住んでいたため、近辺にはかなり頻繁に遊びに来ていた。有名な黒門飴を買ってしゃぶっていた記憶もある。だから暗渠化前の黒門川の姿を覚えていても良さそうなのだが、情けないことに全く印象に残っていない。この機会に古い写真を見てみたが、それでも記憶は呼び覚まされなかった。
先日、黒門川通りを改めて歩いてみた。地図①の黒門橋から川は地下に潜る。写真2枚目が②地点から撮影した黒門川通り。
地図③の地点で黒門川は再び姿を現し、西に蛇行する。この場所を見ると、暗渠の構造が良くわかる。④は藩政時代、黒田藩が魚を捕っていた「簗所」があった場所で、説明板が設置されている。
⑤の地点で黒門川は再び地下に潜る。昔はこの先で博多湾に注いでいたはずだが、現在は埋め立てられ、福浜団地入口の交差点となっている(地図⑥)。ここで黒門川の流路がわからなくなった。まっすぐ北に行けば、伊崎漁港(地図⑦)だが、ここには河口らしきものはなかった。ひょっとしたら⑤地点で大きく西に曲がり、ヤフオクドーム横を流れる菰川に接続しているのだろうか。
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