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埋蔵文化財センターの「義援金壺」

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 福岡市埋蔵文化財センター(博多区井相田2)で少し面白いものが見られるよと知人がメールで教えてくれたので、早速見に行ってきた。福岡市内の各公共施設には熊本地震災害義援金の募金箱が置かれているが、ここにあるのは「義援金壺」なのだ。レプリカではなく本物の弥生土器で、福岡市営地下鉄の建設に伴い1977年に行った西新町遺跡発掘調査で出土したもの。硬貨で傷がつかないように内部は保護してあるという。私も帰り際、本当にわずかな額を募金してきた。

 センターは市内の発掘調査で出土した遺物を収蔵・管理する施設で、1982年2月に開館した。収蔵品は100万点を超えているという。収蔵品のごく一部を紹介する展示室も三つあり、入場は無料。「庚寅銘大刀」など話題を呼んだ出土品が展示されることも多い。福岡市というのは面白いところで、
板付遺跡鴻臚館跡金隈遺跡などのメジャーな遺跡には小規模ながらも概ね展示施設が併設してあり、これがすべて入場無料なのだ。魏志倭人伝の昔から栄えた土地であり、その歴史に対するプライドからか、考古学系の展示等には妙に気合が入っているところがある。

 センターではいま、絵画などが描かれた縄文・弥生時代の土器などを展示した企画展「ひとのかたちと、こころをうつす―絵画と造形の考古学」と、近年の発掘調査に伴う出土品を紹介する「新収蔵品展」が開催されている。2枚目の写真は、その新収蔵品の一つで、藤崎遺跡第37次調査で見つかった土器だ。この調査はマンション建設に伴い2012年秋に行われたもので、バス停脇の目立つ場所で発掘が行われていたこともあって、このブログでも取り上げている(「藤崎遺跡」)。

 ブログでは弥生時代の甕棺墓5基が見つかったと紹介していたが、最終的には20基が確認されたといい、中には人骨が残っていたものもあったという。義援金壺に使われている弥生土器が見つかった西新町遺跡とは弥生時代から古墳時代にかけての集落遺跡(
「古代は港町だった西新」)で、藤崎遺跡はその墓地だったとみられている。
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