旧聞since2009

慈恩の滝の裏側

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 大分県玖珠町にある慈恩の滝に4日、ほぼ20年ぶりに行き、滝の裏側から見た景色を写真に収めてきた。本来ならば、涼を求めて滝に行く季節ではないが、この日の最高気温は福岡でも大分でも20度超。由布院からの帰路、滝の横にある道の駅で休憩したついでに、陽気に誘われ滝を巡る散策路を歩いてきた。この散策路が滝の裏側にも通じている。こういった滝を「裏見の滝」と呼ぶらしい。写し方が下手なためにわからないが、本当は2段式の滝で、写真の滝(落差10㍍)の上にもう一つ滝(同20㍍)がある。

 慈恩の滝は、万年山(はねやま、1,140㍍)を水源とする山浦川にあり、古い資料には「慈恩寺瀑」または「寺下の瀑」とも書かれている。滝の上には杉河内集落があるが、ここにかつて慈恩寺という寺があったと思われ、これが滝の名前の由来となったようだ。『玖珠郡史』(1965)には「江戸時代に滝の近くに一宇の禅寺があり、その寺号が慈恩寺と言っていたので、慈恩の滝と言われるようになった」とあったが、これ以外に慈恩寺について書かれた資料を見つけることはできなかった。詳細は不明だ。

 滝があるのは、久留米市と大分市とを結ぶ国道210号線沿い。くじゅう方面に遊びに行き、のんびり帰る時など頻繁にこの道を通っているのだが、今までは素通りするばかりだった。しかし、昨年7月、滝のすぐそばに道の駅「慈恩の滝くす」がオープンし、せっかくだからと立ち寄る気になった。道の駅は広さ4,500平方㍍で、駐車場は39台分。比較的小規模な道の駅で、物販施設も非常に小ぢんまりとしていたが、4日は好天に恵まれたこともあり、駐車場は満車状態だった。観光面の効果は決して小さくはないのだろう。

 この玖珠町、くじゅう連山を抱えるお隣の九重町に比べ、このブログで取り上げることは少なかったが、万年山やその名も伐株山(685㍍)といった頂上が真っ平らな山があったり、慈恩の滝以外にも数々の名瀑があったりと自然景観に恵まれた土地だ。SL9600形29612号機安住の地となった
豊後の森機関庫もこの町にある。
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