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天瀬で見かけた苔アートの猫バス

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 くじゅう連山の登山口に当たる大分県九重町の飯田高原に行き、レストハウスや日帰り温泉などが並ぶ長者原で、郷土料理のとり天定食を食べたり、タデ原湿原を散策したりしてきた。タデ原湿原にはススキが広がり、秋と見間違うような景色だったが、間もなく野焼きが行われる。湿原は一面真っ黒になった後、やがて緑に染まっていく。

 多くの湿原や草原では毎年春に野焼きが行われている。以前は「焼き畑農業みたいなものだろう」とアバウトに考えていたが、野焼きをきちんと行わないと、枯れ草が堆積して湿原の乾燥化が進み、やがては森林に変わっていくためだという。

 タデ原湿原も一時、その危機に直面していた。湿原は昭和30年代頃まで、牧草地として利用され、農家によって野焼きが行われていたが、後継者不足で途絶え、荒れ果てた状態になっていたという。以前の景観を取り戻したいと立ち上がった地元住民たちが飯田高原野焼き実行委員会を組織し、1997年に野焼きを復活させた。近年は野焼きの範囲を広げ、湿原の維持だけでなく再生にも取り組んでいるという。行楽客でしかない私には普段、思いが及ばないが、くじゅう、飯田高原の驚異的なまでの景観は、こういった努力によって保たれている。

 帰路は、天瀬高塚ICから大分自動車道を利用することにし、国道210号線を走っていたところ、日田市天瀬町で、道路脇の壁に奇妙な「猫バス」が描かれているのに気付き、確認のためにUターンした。なんと法面のコンクリート壁に生えた苔を削って描かれたものだった。トトロの横にはバス停があったが、これは本物で、地元の東渓小学校のスクールバス乗り場だった。東渓小学校は2012年、4校が統合して誕生した新しい学校。校区が広がったことで、児童の大半が遠距離通学となり、そのためスクールバスが運行されているという。

 天瀬高塚IC近くでは、今度はしだれ桜並木に気付き、またもUターンして写真を撮ってきた。一眼レフカメラを持ってくるべきだったと後悔した。再度Uターンして天瀬高塚ICに向かうのも面倒だったので、日田IC経由に変更し、ついでに物産直売所兼土産品店に立ち寄り、例によって地元産の野菜を買い込んだ。行きつ戻りつの帰り道だったが、面白いドライブになった。


 ※2012年5月に書いた「丸隈山古墳の石室」をほぼ全面的に書き直しました。
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