外来種?のアカウキクサ除去

2020年04月24日
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自然&生き物
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 福岡市中央区の舞鶴公園で先日、最も西側にある5号堀の水面を埋めていた、恐らくは外来種のアカウキクサを除去する作業が行われていた。水鳥が運んできたのか、2000年代の初め頃から、舞鶴公園のお堀では毎年、アカウキクサが繁茂するようになった。特にこの数年は、真っ赤に染まる5号堀が秋から冬にかけての風物詩ともなっている。わざわざ除去するのは十数年前、地面と間違った小学生が転落する事故が起きたためで、水面が見えないほど繁茂している時は、確かに赤土の地面と勘違いするほどだった。

 アカウキクサは、浮遊性の水生シダの一種で、葉は冬に赤くなる特徴がある。冒頭、「恐らくは外来種の」と書いたのは、在来種のアカウキクサも存在するためだ。在来種は福岡県レッドデータブックでは絶滅危惧ⅠA類に指定されている希少種で、絶滅危惧ⅠA類とは「ごく近い将来、野生での絶滅危険が極めて高いもの」を意味する。ただ、2001年のレッドデータブック初版の段階では、福間町(現・福津市)の溜池1か所で生息が確認されていたものの、2014年の改訂版では「その後確認されていない」として、事実上の絶滅宣言が出されている状態だ。

 外来種と在来種は、専門家でも判別が難しいほど似通っているらしく、福岡県レッドデータブックでも「外来種のアゾラが拡大しており、自生種の確認が困難になっている」(※アゾラはアカウキクサの属名で、外来種の名前ではない)と嘆いている。外来種が国内に持ち込まれたのは、アイガモ農法が一因と言われている。雑草だけではアイガモの餌が足りないため、それを補うために水田で栽培されるようになり、やがて生息域を広げていったという。突如としてダム湖の水面を埋めて気味悪がられたり、希少なアカウキクサが復活したと勘違いされて喜ばれたりと、時折各地でニュースになっているのは、外来種の方らしい。

 希少なアカウキクサが復活したと勘違いして喜んだのは、他ならぬ福岡市のことで、2004年には「舞鶴公園のお堀で、希少種の生息が確認された」と吹聴し、保護の方針を打ち出していた。ところが、直後に小学生の転落事故が起き、除去へと方向転換した。在来種と思っていたが、どうやら外来種らしいことに、薄々気付きもしたのだろう。アカウキクサが繁茂していたのでは見た目が悪く、水質悪化も懸念される。だから、除去に反対ではないが、あの時の市の変わり身の早さには驚いた。
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