旧聞since2009

ハクチョウのアイちゃん

DSCF2767qw.jpg

DSCF2777qw.jpg

 強い寒気団が日本列島の上空に居座り、この年の瀬は九州も凍えるような日々が続いている。30日は強風が吹き荒れる中、小雪さえ舞い、「吹雪」と表現した報道機関もあった。もっとも積雪があったわけではなく、北国の人からは「吹雪はそんな甘いものじゃないよ」と笑われそうだが…。

 この天候の中、デジカメ片手に福岡市中央区にある大濠公園、舞鶴公園一帯を散策した。カップルが不審そうに見ていたが、大きなお世話である。別に何を狙っていたわけではないが、ずいぶんたくさんの野鳥たちに出会ったので、何枚か撮影してきた。帰宅後に種類を調べたのだが、1枚目の写真はユリカモメで間違いないと思う。

 両公園一帯は野鳥たちの楽園で、渡り鳥が越冬のためやってくる冬場には40種以上を目にすることができるという。この中に1羽だけコブハクチョウが交じっており、誰が名付けたか「アイちゃん」の名で呼ばれている。30日はほかの野鳥の姿がまったくない公園近くの水路で、ずいぶん丁寧に羽づくろいをしていた。孤独と見るか、孤高と見るか…。

 公園側が飼育しているわけではなく、数年前から住み着いているらしい。「渡りの途中で羽にけがをし、1羽だけ取り残された」という説が流布しており、うっかり信じそうになったが、国内に生息しているコブハクチョウは飼育されていた個体が野生化したもので、別に渡りでやってくるわけではないという。要するにブラックバスやミドリガメと同様、帰化した外来種なわけだ。アイちゃんの古里は意外に近所なのかもしれない。
関連記事