旧聞since2009

丸山観音堂と草深稲荷神社

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 印西市を歩き回っている。旧・草深小(そうふけふれあいの里)に隣接したところに丸山観音堂(1枚目)がある。1778年(安永7年)、香取信賢によって創建された。この観音堂には1803年(享和3年)、俳句52句が納められた「雑俳額」が奉納されている。境内では、香取利彰が1823年(文政6年)に建てた「草深野鹿の碑」(2枚目の左端)があり、利彰の師、富小路貞直の短歌「草ふかき……」などが刻まれている。

 実は、千葉県公式観光物産サイトで「草深野鹿の碑」の項目に丸山観音堂の写真があり、てっきり野鹿の碑と思い込んだ。現地で見ると、和歌がない。図書館で調べてみると、観音堂と碑とを間違えてしまった。

 俳句にしろ短歌にしろ「草深い片田舎の住人がよくもこれほどのを作り上げたと感嘆せざるをえない」(『印西町の歴史』第八号、「草深の牡鹿」遠藤和夫)とまで賞賛している。

 観音堂から20分程の距離で草深稲荷神社(3枚目)がある。こちらも香取信賢、1796年(寛政8年)に創建した。香取氏は江戸期、代々名主の家柄。明治に入ると、3代にわたって村長を務めている。拝殿は1972年改築。「明治三十七八年戦役記念碑」(日露戦争)、「皇紀二千六百年草深飛行場新設記念」、「伏見稲荷大社参拝記念碑」などがある。このあたりに鬱蒼とした森林があり、神社があるのにびっくりした。


 参考文献は、『千葉ニュータウン開発前史』(山本忠良、1989)、『印西名所図会』(印西町町史編さん室、1993)、『印西町の歴史』第七~九号(印西町町史編さん室、1991~93)。

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